屋根葺き替え工事の費用相場が気になる方は多いでしょう。屋根の広さや使用する屋根材の種類によって費用は大きく変わりますが、相場感をしっかり掴むことが重要です。
- 葺き替え工事の費用相場と価格帯の目安
- 屋根材の種類ごとの費用差と特徴
- 費用を安く抑える方法や注意点
結論として、屋根葺き替え工事の費用は選ぶ屋根材と建物の条件次第で大きく変動するため、事前に費用相場を把握し複数業者の見積もり比較と補助金活用を行うことで、納得のいく工事が可能になります。
\ 簡単30秒!あなたに合う塗装業者が探せる /

監修者:藤 孝憲
保有資格:宅地建物取引士・SEO検定1級・CFPなど
資格を活かし、中立的な立場で記事の執筆・監修を行っている。常に生活者目線で専門用語もわかりやすく解説し記事を執筆している。
屋根葺き替え工事の費用相場【早見表】

屋根葺き替え工事の費用は、屋根材の種類と広さによって相場が大きく変わります。一般的にはスレートが比較的安価で、瓦が高額になりやすい傾向があります。ここでは、その目安を一覧表で確認できます。
屋根材×広さ別の価格目安一覧
屋根葺き替えの費用は、屋根材と施工面積の組み合わせで金額が決まるのが基本です。30㎡・50㎡・100㎡の例で見ると、安価なスレートと高額になりやすい瓦では数十万円の差が出ます。
| 屋根材 | 30㎡の費用 | 50㎡の費用 | 100㎡の費用 |
| スレート | 約20万〜50万円 | 約40万〜80万円 | 約80万〜160万円 |
| ガルバリウム | 約30万〜60万円 | 約60万〜100万円 | 約120万〜200万円 |
| 瓦(和瓦・洋瓦) | 約50万〜70万円 | 約80万〜125万円 | 約160万〜250万円 |
※費用には材料費・足場代・施工費・附帯工事費・廃材処分費などが含まれます。
例えば30㎡の葺き替えなら、スレートは約20万〜50万円、瓦なら約50万〜70万円が目安です。ただし、地域や施工業者、屋根の状態によって実際の金額は上下します。
補足:なぜ価格差が大きいのか
価格差の理由は、屋根材そのものの単価だけでなく、施工の難易度や追加工事の有無が影響するためです。
- スレートやガルバリウムは軽くて施工しやすく、コストを抑えやすい
- 瓦は重く、施工に時間と技術が必要なため、費用が高くなりやすい
- 屋根の状態によっては、下地の補修や断熱材の追加などが必要になり、費用が上がることもある
つまり、屋根材の選択と屋根の状態が費用を左右し、工事内容の組み合わせによって大きな価格差が生じます。
屋根葺き替え工事とは?基本情報を解説

屋根葺き替え工事とは、古い屋根材をすべて撤去して新しい屋根材に取り替えるリフォーム工事です。屋根の寿命を延ばし、建物の安全性や快適性を高めるために行われます。ここでは、必要なタイミングや工法、屋根材の特徴など基本情報を整理します。
工事が必要なタイミングの見極め方
屋根葺き替え工事は、雨漏りやヒビ、下地の劣化といった明確な症状が出た時が検討のサインです。具体的には以下のような場合に必要となります。
- 雨漏りが起きている
- 屋根材にヒビやズレが見つかった
- 築20年以上が経っている
- 台風や地震のあとに屋根のダメージが見られた
- 点検で「下地が傷んでいる」と言われた
こうしたタイミングで早めに工事を計画すれば、建物全体の寿命を延ばすことにつながります。判断が難しい場合には、施工業者に事前調査を依頼しましょう。
メリット・デメリット
屋根葺き替え工事のメリットは、断熱性・耐震性・防水性が向上し、屋根内部の不具合を根本解決できる点です。
- 屋根の寿命が延びる
- 下地まで新しくできるため、潜在的な劣化の解消が可能
一方で、費用や工期が大きくなる点はデメリットです。
- カバー工法より高額になりやすい
- 騒音・廃材処分が発生し、生活に影響が出やすい
工事内容やスケジュールを事前に確認しておくことで、デメリットによる負担を抑えられます。
葺き替え工法とカバー工法の違い
屋根工事には大きく分けて下地から新しくする「葺き替え工法」と、既存屋根の上に重ねる「カバー工法」があります。
| 工法の種類 | 施工内容 | コスト | 適しているケース |
| 葺き替え工法 | 既存の屋根材をすべて撤去し、下地から新しくする | 耐久性や防水性に優れるが、費用と工期がかかる | 下地(野地板や防水シート)が劣化・腐食している 雨漏りしている、または屋根材の損傷がひどい 屋根材にアスベストが含まれている 築30年以上で、大規模な修繕を考えている |
| カバー工法 | 既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねる | 工期が短く、費用も抑えられるが、建物の構造によっては施工できない | 下地は比較的健全で、表面だけが劣化している 雨漏りはないが、見た目や耐久性を改善したい 短期間で屋根リフォームを終えたい コストを抑えつつ、ある程度の耐久性も確保したい |
屋根の下地状態や予算に応じて、工法を選ぶことが重要です。
屋根材の種類と特徴(スレート・ガルバリウム・瓦など)
代表的な屋根材であるスレート・ガルバリウム・瓦は、耐久年数もコストも大きく異なります。
| 屋根材の種類 | 特徴 |
| スレート | セメントが主材料で、軽くてコストを抑えやすい デザインが豊富で施工しやすいが、防水性はやや弱い 耐用年数は20〜25年と短め |
| ガルバリウム | 軽量の鋼板で、耐久性や防錆性に優れる 住宅だけでなく、商業施設にも広く使われている 金属感があるため、外観との相性を考える必要がある 耐用年数は20〜30年と比較的長い |
| 瓦 | 粘土やセメントなどの天然素材で重厚感があり、耐久性が高い 重量があるため、施工できる建物が限られる 耐用年数は50年以上と非常に長い |
屋根材の選び方では見た目だけでなく、耐久性・費用・メンテナンス性を踏まえることが大切です。
\ 簡単30秒!あなたに合う塗装業者が探せる /
屋根材の種類別の葺き替え工事費用相場

屋根材の選択によって葺き替え工事費用は数十万円単位で変わるのが特徴です。スレートは1㎡あたり約8,000〜16,000円で初期費用が安く、瓦は約16,000〜25,000円で高額だが寿命が長いといった違いがあります。代表的な屋根材ごとの相場を確認しましょう。
スレートの費用
スレート葺き替えの費用は、1㎡あたり約8,000〜16,000円で最も安価な選択肢です。
例えば50㎡の場合は約40万〜80万円で施工できます。初期コストを抑えやすく人気ですが、耐用年数は20〜25年と短めのため、将来的なメンテナンスも視野に入れることが必要です。
ガルバリウムの費用
ガルバリウムの葺き替えは、1㎡あたり約12,000〜20,000円で、コスパを重視したい方に適している工法です。
50㎡で約60万〜100万円が一般的な目安となります。施工しやすく工期も比較的短いのが強みですが、スレートよりは初期費用が高めです。予算には多少の余裕を持っておきましょう。
瓦の費用
瓦葺き替えは、1㎡あたり約16,000〜25,000円と最も高額ですが、耐久性と断熱性に優れる屋根材です。
50㎡の場合の費用相場は約80万〜125万円。重厚感があり長持ちする一方で、施工には高い技術と手間が必要なため工事費が膨らみやすい点がデメリットです。長期的な耐用年数を重視する方に向いています。
屋根の広さ別の葺き替え工事費用相場

施工面積によっても総額費用は大きく変動します。同じ屋根材でも30㎡と100㎡では費用幅が異なり、規模によるコスト効率も影響します。以下は広さごとの目安です。
30㎡の価格目安
30㎡の葺き替え費用は、約20万〜70万円が相場です。
- スレート:約20万〜50万円
- ガルバリウム:約30万〜60万円
- 瓦:約50万〜70万円
面積が小さくても、足場代や人件費はかかるため、1㎡あたりの単価は高めになりやすいのが特徴です。複雑な屋根形状や立地条件によっては追加費用も必要となるため、適正価格の見極めが重要です。
50㎡の価格目安
50㎡の葺き替え費用は、約40万〜125万円が相場です。
- スレート:約40万〜80万円
- ガルバリウム:約60万〜100万円
- 瓦:約80万〜125万円
中規模住宅のため施工実績に強い業者が多く、選択肢が広くコストバランスを取りやすい規模です。複数業者からの見積もり比較で費用を抑えやすくなります。
100㎡の価格目安
100㎡の葺き替え費用は、約80万〜250万円が相場です。
- スレート:約80万〜160万円
- ガルバリウム:約120万〜200万円
- 瓦:160万〜250万円
広い屋根では単価が下がる傾向はあるものの、全体額は高額になりやすいのが実情です。足場や附帯工事の規模も拡大するため、業者選びと同時に補助金・助成金制度の利用を検討することが賢明です。
\ 簡単30秒!あなたに合う塗装業者が探せる /
屋根葺き替え工事費用を左右するポイント

葺き替え工事費用は、屋根材や広さだけでなく、屋根の状態や立地条件、業者、附帯工事の有無など多くの要素によって上下します。見積もりに差が出るのはこれら複数の要因が影響しているからです。
屋根の状態(勾配・下地)
屋根の状態は、費用に直結する最重要ポイントの一つです。
- 勾配が急な屋根は、安全対策や足場の手間がかかり、施工費用が高くなる
- 下地に腐食や劣化があると、補修や交換が必要になり、追加費用が発生する
施工前に現地調査を受けて状態を把握しておくことで、工事後のトラブル防止にもつながります。
地域性
工事費用は地域ごとに人件費や施工条件の違いで変動します。
- 都市部は人件費や運搬費が高く、費用が割高
- 地方はコストを抑えやすいが、対応業者が少ない
- 豪雪地帯や台風多発地域では、強度を高める施工が必要で費用増
地域に見合った屋根仕様と費用感を理解することが、耐久性とコスパを両立するカギになります。
施工業者
依頼する業者によっても見積もりや品質に大きな差が出ます。
- 実績豊富な業者は施工品質が安定し、適正な価格を提示しやすい
- 極端に安い業者は、手抜き工事やアフターサポート不足のリスクがある
複数業者からの相見積もりを取り、保証や施工内容を比較することが、信頼できる業者を選ぶ最善策です。
附帯工事の有無(雨樋・断熱材など)
屋根葺き替えでは、附帯工事を追加するかどうかで総費用が大きく変わります。
| 附帯工事の項目 | 各工事の目的 |
| 雨樋 | 劣化や詰まり、破損を交換・補修する |
| 破風板・鼻隠し | 屋根の端部を保護する部材を補修・再塗装する |
| 軒天 | 軒下の天井部分の湿気による劣化を補修する |
| 屋根裏 | 断熱材を追加・交換して、冷暖房効率を向上させる |
| 屋根材の下 | 防水シートを施工する |
| 棟板金・棟瓦 | 風雨によって外れた屋根の頂点部分に使われる部材を補修する |
| 雪止め金具 | 積雪地域では、屋根からの落雪を防ぐために施工する |
附帯工事を行えば費用は加算されますが、屋根の性能・寿命を延ばし、将来的なメンテナンス費を減らせる投資になります。屋根の状態に応じて必要性を検討しましょう。
屋根葺き替え工事費用を抑える方法

屋根葺き替え工事は高額になりやすいですが、補助金の活用・屋根材選び・業者選定を工夫することで費用を抑えられます。短期的な安さだけでなく、長期でのコストパフォーマンスを意識することが重要です。
国や地方自治体の補助金・助成金を活用する
屋根葺き替え費用を抑えるには、国や自治体の補助金・助成金を活用するのが有効です。
- 省エネ・耐震・災害対策を目的とした工事が対象
- 断熱材の追加や耐久性の高い屋根材の使用で、数万円〜十数万円の補助を受けられる
ただし申請条件や制度は自治体ごとに異なるため、公式サイトや役所窓口での事前確認が不可欠です。
コストパフォーマンスの良い屋根材を選ぶ
工事費削減のカギは、初期コストと耐用年数のバランスが取れた屋根材選びです。
- ガルバリウム:スレートより高価だが、耐久性があり維持費が抑えられる
- 瓦:初期費用は高額だが50年以上もち、断熱性も高い
長期的には、将来の修繕費節約につながる屋根材の選択が「安さ」に直結します。
適正価格で信頼できる業者を選ぶ
業者選びは、費用と品質を左右する最大の要素です。
- 相場より極端に安い業者は、施工不良や追加費用請求のリスクあり
- 相見積もりで「価格、工事内容、保証、説明対応」を比較することが重要
長期的に見て、適正価格で高品質施工を提供する業者こそ、結果的に一番安く済む依頼先です。
\ 簡単30秒!あなたに合う塗装業者が探せる /
屋根葺き替え工事の相見積もりに関する注意点

費用の適正さを見極めるには、複数業者の相見積もりを比較することが不可欠です。同じ工事内容でも数十万円の違いが出るため、比較の手間を惜しまないことが節約につながります。
複数の業者から見積もりを取る理由
相見積もりを取るのは、相場感と業者の信頼性を見極めるためです。
- 同じ工事でも業者によって見積額は数十万円違うことがある
- 対応の丁寧さや提案力も比較できる
見積もりは、価格だけでなく業者選定の材料となるため、必ず複数社に依頼しましょう。
見積書のチェックポイント
見積内容が明確であるかどうかが信頼できるかの基準です。
- 工事内容(材料費・足場代・施工費・附帯工事費・廃材処分費など)の内訳があるか
- 使用屋根材やグレード、施工面積が明記されているか
- 「一式」表記に偏っていないか
- 保証内容・アフターフォローが書かれているか
不明瞭な見積書は追加費用のリスクがあるため、各項目を比較できる明朗な見積書を出す業者を選ぶことが安心です。
適正価格の見極め方(業者の選び方)
適正価格かどうかを判断するには、金額だけでなく業者の対応や施工実績の確認が必須です。
- 安すぎる見積もりは、工事品質や保証が不十分で結果的に割高になる可能性がある
- 過去の施工例や口コミ、アフター対応をチェック
最終的には、価格と品質のバランスを満たす業者が「満足度の高い依頼先」となります。
屋根葺き替え工事を成功させるコツ

屋根葺き替え工事を成功させるには、法的ルールの順守・適切な素材選び・近隣への配慮が欠かせません。事前準備をしっかり行うことで、工事をスムーズに進め、満足度の高い仕上がりにつながります。
アスベスト含有の事前調査・報告を実施する
屋根葺き替え工事では、アスベストの有無を事前に調査・報告することが法律で義務付けられています(※1)。
- 2022年4月より、アスベスト飛散防止のため調査・報告が必須
- 一定規模以上の工事は労働基準監督署や自治体への報告が必要
- アスベストが含まれる場合、撤去費用や工事方法に影響する
安全確保のためにも、施工業者による調査確認を必ず行うことが成功の第一歩です。
適した塗料・屋根材を選ぶ
建物や地域特性に合った屋根材・塗料を選定することで、長持ちする屋根をつくれるのがポイントです。
- 寒冷地では断熱性の高い素材を選ぶ
- 沿岸部では耐塩性の高い塗料を使う
- 勾配に合った屋根材を使えば雨漏り予防になる
施工業者と相談し、自宅に最適な組み合わせを選べば、長期的なメンテナンスコスト削減につながります。
周辺住民に配慮する
工事を気持ちよく進めるには、近隣トラブルを避けるための配慮が重要です。
- 工事前にあいさつ回りをして理解を得る
- 工事中の騒音やトラック出入りの配慮を徹底する
- 工事後は清掃まで確認すると印象が良い
自宅だけでなく周囲に配慮することで、工事全体を円滑に進められます。
まとめ:屋根葺き替え工事の費用相場を把握してから依頼しよう

屋根葺き替えは高額工事となるため、相場や屋根材の特徴を理解し、信頼できる業者を見極めて計画することが成功の秘訣です。
ご検討中の方は「ペイプロ」の利用がおすすめです。
- 外壁塗装や屋根工事に対応する優良業者を無料で比較・紹介
- 厳選された業者の中から最適な依頼先を探せる
- 相談は無料なので、気軽に相談可能
納得のいく工事を実現するために、まずは相場を理解し、信頼できる施工業者とつながることから始めましょう。
