屋根塗装のとき太陽光パネルは?注意点がすぐわかるメンテナンスガイド

屋根塗装を考えたときに「太陽光パネルが載っているけれど、塗装はできるの?」と疑問に思う方は多いのではないでしょうか。

実際には、パネルを載せたままか、脱着するか、あるいは塗装とパネル工事を同時に行うかで施工方法や費用は大きく変わります。

この記事で分かること
  • 太陽光パネル設置済み屋根の塗装方法と3つの施工パターン
  • パネル脱着の費用や保証への影響、工事中の発電量低下への対応
  • 屋根塗装と太陽光パネル工事を同時に行うメリットと長期的な費用対策

結論として、太陽光パネル付きの屋根でも塗装は可能ですが、最も効率的で安心なのは「塗装とパネル設置(または交換)を同時に行う」ことです。

無理にパネル下を放置せず計画的に施工を組み合わせることで、費用を抑えながら屋根の防水性と発電効率を長期にわたり守ることができます。

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滋野 陽造

監修者:滋野 陽造
保有資格:宅地建物取引士 賃貸不動産経営管理士

早稲田大卒。マスコミ広報宣伝業務・大手メーカー等のWebディレクターを経て、不動産関連業に従事。法令に則しながら、時流や現状も踏まえた記事を執筆している。

監修者:藤孝憲

監修者:藤 孝憲
保有資格:宅地建物取引士・SEO検定1級・CFPなど

資格を活かし、中立的な立場で記事の執筆・監修を行っている。常に生活者目線で専門用語もわかりやすく解説し記事を執筆している。

目次

屋根に設置する太陽光パネル

屋根に設置する太陽光パネル

太陽光パネル付きの屋根は今後さらに増加し、塗装やメンテナンスの場面も多くなります。設置自体は可能ですが、方法や注意点を理解したうえで対応しなければ、雨漏りや保証の問題につながる恐れがあります。

まずは太陽光パネルの基本と設置状況を理解しておきましょう。

太陽光パネルとは?

太陽光パネルは、屋根に設置して日光を電力に変える設備で、電気料金を削減したり売電で収入を得られます。

初期費用はかかるものの、電気代の節約によって回収可能で、なおかつ環境にもやさしい点が大きな特徴です。今後、設置する住宅が増加する見込みです。

太陽光パネル設置のメリット

太陽光パネルの設置は、CO2の排出を減らし、環境負荷を軽減できる点が最大のメリットです。

また、エコ性能が高まることで助成金の対象になりやすく、施工費用を抑える効果もあります。環境面と経済面の両方で有益な設備といえます。

太陽光パネルの設置方法

屋根塗装と太陽光パネルの関係

太陽光パネルは重量が15〜20kgほどあり、屋根には架台をビスで固定して設置します。位置を正しくマーキングし、ビス穴や架台を徹底的にコーキングしなければ雨漏りを招く恐れがあります。

さらに、不陸調整で水平を確保し、最後に金具や配線を行って完了します。設置は専門的かつ慎重な作業が必要です。

太陽光パネルのメンテナンス方法

太陽光パネルは3年ごとの定期点検で発電効率を確認し、同時に清掃を行うことが推奨されます。

点検費用は約3万円、清掃も同程度かかり、10年程度で必要になるパワーコンディショナー交換は20万円前後必要です。定期メンテナンスによって発電効率と寿命を維持できます。

太陽光パネル下の屋根はどんな風になっている?

パネルの下になった屋根材は直射日光や雨から守られるため劣化は遅くなります。

しかし一方で湿気がこもりやすく、長年使う中で劣化は避けられません。太陽光パネルがあるからといって放置せず、屋根材の点検を怠らないことが重要です。

屋根塗装の際の太陽光パネルの扱いは3パターン

屋根塗装と太陽光パネルの関係

屋根塗装と太陽光パネルの両立には3つの方法があり、状況に応じた選択が必要です。

①屋根塗装を太陽光パネル設置前に行う、②屋根塗装のために太陽光パネルを脱着する、③太陽光パネル設置部分以外の屋根のみ再塗装、いずれかです。それぞれ費用・耐久性・保証面に違いがあるため、最適な選択が家の長寿命化とコスト削減につながります

1.屋根塗装を太陽光パネル設置前に行う

最も効率的で費用対効果の高い方法は、太陽光パネルを設置する前や交換時に屋根塗装を行うことです。

一度に工事できるため足場設置も1回で済み、期間や費用を抑えられます。順番は「①古いパネル撤去 → ②屋根塗装 → ③新しいパネル設置」で行うのが理想的です。

2.屋根塗装のために太陽光パネルを脱着

長期間使い続ける太陽光パネルが載っている場合、パネルを取り外して下まで塗装する方法があります。

この方法は防水・補修効果を最大限に発揮できる点でメリットがあります。ただし、パネルはデリケートで再設置時に破損リスクがあるため慎重さが必要です。

塗装やカバー工法などでパネルを外すと保証が切れる

屋根塗装やカバー工法で一度パネルを取り外すと、メーカー保証が無効になる場合があります。工事前に必ず保証条件を確認し、リスクを理解しておくことが重要です。

3.太陽光パネル設置部分以外の屋根のみ再塗装

パネルを載せたまま、設置部分を除いた屋根だけを塗装する方法もあります。施工面積が減るため費用を抑えられますが、作業難易度は高く、パネルを傷めない配慮が必要です。

また、もしパネル下の屋根が劣化していた場合、十分な保護効果が得られない可能性があるため、事前に専門家の点検が欠かせません。

経済性を考えると、例えば「屋根塗装=20年」「パネル寿命=17年」とした場合、17年目に塗装とパネル交換を同時に行うと効率的です。長期的なコストと耐久性を考えてスケジュールを組みましょう

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太陽光パネル付きの屋根塗装をした場合の費用は?

太陽光パネル付きの屋根塗装をした場合の費用は?

太陽光パネル付き屋根の塗装は、通常の屋根塗装に比べて費用が高くなる場合が多いです。理由は、パネルの有無によって塗装面積が減る一方で、養生作業や脱着工事といった追加作業が発生するからです。

施工の方法次第で費用感が大きく変わるため、各パターンを把握することが大切です。

費用は高くつく?

パネルを外さず設置部分以外を塗装する場合は、その分塗装面積が減るため、金額的には最も安く済みます例えば、

  • 3kWの太陽光発電の設置に必要な屋根の面積 ⇒ 約22㎡
  • 6kWの太陽光発電の設置に必要な屋根の面積 ⇒ 約42㎡

平均的には屋根全体の7〜8分の1がパネルで覆われます。そのため塗料代や作業量は軽減される一方で、パネルの養生費用が追加されます。また、パネル下の屋根が保護されないため、長期的には経済的効果が限定される場合があります。

太陽光パネル設置や脱着の費用は?

太陽光パネルを一度外して塗装し、再設置する場合は20万円以上の追加費用がかかるケースが一般的です。

さらに足場を別途組む必要があると、追加で20万円ほどかかり、合計負担が大きくなります。そのため、足場は塗装と脱着工事で共用することが必須です。

塗装中の発電量は?

塗装のためにパネルを外している間は、当然ながら発電は停止します

パネルを載せたまま塗装をする場合でも、塗料付着を防ぐための養生によって発電量は低下します。その結果、塗装工事期間中は電気料金の支出が増える可能性があります

さらに、天候不良で工期が延びれば、その分発電量への影響も長引く点に注意が必要です。

屋根・外壁塗装と太陽光パネル設置を一緒に行うメリット

屋根・外壁塗装と太陽光パネル設置を一緒に行うメリット

屋根塗装と太陽光パネル設置(または交換)を同時に行うのが最も効率的で、長期的に費用を抑える方法です。

一度に大きな出費となりますが、足場を共有でき、工期短縮や工程管理の効率化で経済的なメリットがあります。さらに外壁塗装も合わせて施工すれば、よりお得になります。

一緒に行うことのメリット

足場代を含めた工事を一度で済ませられるため、別々に施工するよりもコスト削減が可能です。

例えば、足場代だけでも3回必要なところを1回で済ませて40万円程度の節約につながります。加えて、挨拶回りや施工チェックといった施主側の負担も一度で済み、管理面が大幅に楽になります。

費用はかかるが長い目ではお得

同時施工は一度にまとまった費用がかかりますが、分割して行うよりも長期的には安く済みます。また、塗装業者がパネルに気を遣う必要が大幅に減り、施工精度も上がります。

ただし、多くの業者が短期間に出入りするため、天候次第でスケジュール調整が難しくなる点には注意が必要です。あらかじめ新築時から屋根・外壁・パネルの耐用年数を計画に組み込み、施工スケジュールと予算を立てておくことをお勧めします

太陽光パネル付きの屋根塗装の流れと注意点

太陽光パネル付きの屋根塗装の流れ図解

太陽光パネル付き屋根の塗装は、通常の屋根塗装と異なり特有の工程や注意点があります。

パネルを載せたままか、取り外すかで作業が変わるため、事前に業者と施工方法について明確に打ち合わせしておくことが重要です。

太陽光パネル付きの屋根塗装の流れ

太陽光パネル付きの屋根塗装の流れは以下です。

事前打ち合わせ・挨拶回り・パネルの下の屋根材の状態を調査
・塗装とパネル設置業者が要望を共有
足場設置・養生・外壁・雨樋への塗料付着を防止
・パネルを載せたままの施工ではパネル養生も実施
・取り外す場合は昇降機を使ってパネルを地上へ
屋根の洗浄・補修・高圧洗浄やケレンによる汚れ除去
・必要に応じて野地板の状態も確認
下塗り → 中塗り → 上塗り・密着性の確保から仕上げ塗装まで順に施工
完了検査・施主が塗装の仕上がりを確認
・取り外した場合は再設置後に発電確認も実施
足場撤去・施工に問題がなければ撤去し完了


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太陽光パネル付きの屋根塗装の注意点

  • パネルの上に乗ったり、塗料を付けたりすることは厳禁
  • 屋根用高圧洗浄をそのままパネルに行うと故障の原因になるため不可
  • 塗装業者が「パネルを載せたまま施工できる経験があるか」を事前に確認することが大切
  • 施工中は養生や作業の影響で発電量が一時的に落ちる場合あり

以上を踏まえて、業者選びと施工計画を慎重に行うことが失敗を防ぐポイントです。

エコリフォームで助成金を受けよう【東京都の例】

エコリフォームで助成金を受けよう【東京都の例】

断熱・遮熱塗料を使った屋根塗装や太陽光発電設置は、環境性能の向上に貢献するため助成金を受けられる可能性があります。

工事費の一部を助成金で補えるため、費用負担を軽減しながら省エネ効果を高めることができます。東京都内では多くの自治体が制度を設けているため、活用しない手はありません。

屋根の断熱・遮熱塗装施工の助成金

屋根の断熱・遮熱塗装施工の助成金

以下は2025年・東京23区内の屋根の断熱・遮熱塗装に対する助成金の一覧です。全部で14区が事業を行っています。

スクロールできます
自治体名称内容期間
足立区省エネリフォーム補助金施工費1/3 上限5万円2025年4月11日~2026年1月31日
葛飾区《個人住宅用》かつしかエコ助成金1,000円/m²もしくは施工費1/4までのいずれか小さい方 上限20万円2025年4月14日~2026年3月31日
江東区地球温暖化防止設備導入助成1,000円/m² 戸建て上限20万円集合住宅150万円2025年4月1日~2026年3月13日
品川区住宅改善工事助成事業(エコ&バリアフリー住宅改修)施工費の10%上限20万円~100万円2025年4月1日~2026年1月30日
新宿区新宿区省エネルギー及び創エネルギー機器等補助制度2,000円/m² 上限20万円2025年4月14日~2026年3月31日
杉並区エコ住宅促進助成 杉並区断熱改修等省エネルギー対策助成 高日射反射率塗装(屋根・外壁)施工費の20% 上限15万円(屋根・外壁合わせて)2025年4月10日~2026年2月27日
墨田区地球温暖化防止設備導入助成制度施工費の10% 上限15万円~30万円2025年4月1日~2026年2月27日
世田谷区世田谷区エコ住宅補助金1戸当たり10万円2025年4月1日~2026年2月末日
台東区高反射率塗料施工助成金制度施工費の20% 上限15万円2025年4月1日~2026年3月31日
中央区住宅・共同住宅用自然エネルギー・省エネルギー機器等導入費助成施工費の20% 上限10万円2025年4月1日~2026年3月15日
千代田区ヒートアイランド対策助成施工費の50%もしくは2,000円/m²の低い額2025年4月1日~2026年2月13日
文京区文京区新エネルギー・省エネルギー設備設置費助成2,000円/m² 上限40万円2025年4月1日~2026年3月2日
港区地球温暖化対策助成制度材料費全額もしくは2,000円/m²の低い額 上限30万円2025年4月1日~2026年3月19日
目黒区住宅リフォーム資金助成施工費の10% 上限10万円2025年4月1日~2026年3月31日に工事完了

各種の助成金は、予定件数に達すると早期締め切りになる場合がありますまた、制度によっては他の助成金と併願できない場合もあるため、申し込み前に必ず条件を確認してください。

地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト

太陽光パネル設置の助成金

東京都では太陽光パネル設置を積極的に推進しており、「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」に基づき、新設やメンテナンスで助成金を申請できます。

この助成金は太陽光パネル本体だけでなく、屋根の防水や補強にも適用され、前述の屋根塗装のエコリフォーム助成と組み合わせて利用することも可能です。ただし、助成金には予算枠や申請サイクルがあり、先着順で終了することも少なくありません。最新情報を常に確認し、早めに申請準備を進めることが重要です。

屋根塗装工事と太陽光パネルについてのQ&A

屋根塗装工事と太陽光パネルについてのQ&A

記事のまとめを兼ねて、屋根塗装と太陽光パネルについて、よくある質問をご覧ください。

屋根塗装や修理はなぜ必要?

屋根塗装は家の美観を保ち、傷みの箇所を修復しながら、屋根材の機能を復活させるために必要です。傷みがひどくなる前に、早めの施工をおすすめします。

太陽光パネルがある場合の屋根の塗り替え寿命は?

太陽光パネルが載っていても、屋根材の塗り替え寿命は一般的に10〜15年程度が目安です。
ただしパネルがあると屋根全体を一度に塗装しにくいため、できれば太陽光パネルの交換時期に合わせて塗装を行うのが理想です。パネルを外さずに塗り替える場合は、パネル下の劣化状況や架台の状態をしっかり確認しておきましょう。

太陽光パネルの上に乗っても平気?

太陽光パネルの上に乗ることはできません。パネルは人の重さに耐えられる設計ではなく、割れや破損の原因になります。
塗装や点検の際も、必ず屋根材の上を歩行し、パネルには直接触れないようにしましょう。

築20年の家に新しく太陽光パネルを設置したい

設置は可能ですが、事前に屋根の塗装を済ませておくのがおすすめです。同じ足場を使えるため費用を抑えられ、施工効率も良くなります。また、屋根材の下地(野地板)の厚みや耐久性に問題がないかも必ず確認しましょう。

屋根塗装のときに一緒に太陽光パネルも洗浄してもらえる?

基本的に屋根塗装の高圧洗浄でパネルを一緒に洗うことは推奨されません。水質によってはパネルに悪影響を与える可能性があるため、洗浄は太陽光パネル専門の業者に依頼するのが安心です。

太陽光パネルは掃除・洗浄が必要|アスグリ

まとめ

屋根塗装工事と太陽光パネルについてのまとめ

屋根塗装と太陽光パネルの関係は、工事の進め方や注意点を理解して計画的に進めることがカギです。塗装・パネル設置・外壁工事などを適切なタイミングで組み合わせれば、費用も手間も抑えられ、快適で長寿命な住まいを維持できます。

また、太陽光パネルに関する基本知識を持ち、施工中の対応についてスムーズに相談できる業者を選ぶことが、トラブル防止と満足度の高い仕上がりにつながります。ペイプロでは、適正価格で安心して依頼できる屋根塗装業者をご紹介しています。業者選びに迷っている方や、信頼できる業者に依頼したい方は、ぜひペイプロをご活用ください。

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