レンガの外壁にしたくても、コストや施工面でハードルが高いと感じる方が多いです。そこで注目されているのが、おしゃれな外壁にできるレンガ調サイディングです。
本記事では、レンガ調サイディングの特徴やメリット、デメリット、費用相場まで解説。さらに、後悔しない業者選びのポイントも紹介します。
レンガ調サイディングの使用を検討している方は、参考にしてください。
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レンガ調サイディングとは?特徴や本物のレンガとの違いを解説

レンガ調サイディングは、外壁にレンガの質感を手軽に取り入れられる人気の建材です。本物のレンガに比べて軽量で、施工性やコスト面でも大きなメリットがあります。
まずは、レンガ調サイディングの基本を押さえておきましょう。
レンガ調サイディングはレンガの模様が板材に施されたもの
レンガ調サイディングとは、板状の外壁材にレンガ模様が施された製品です。セメントや金属素材で成形され、表面にレンガの立体感と色彩感を出しています。
本物のレンガを積み上げる必要がないため、施工も簡単で短期間で仕上がります。デザイン性を損なわず、耐久性やコストバランスに優れる点が特徴です。
レンガ調サイディングと本物レンガ外壁との違い
本物のレンガは、ひとつひとつ積み上げて外壁を作ります。重量があり、建物にかかる負荷も大きくなります。施工には専門的な技術と長い工期が必要になり、コストも高くなります。
レンガ調サイディングは、軽量で施工が容易なうえ耐震性にも優れています。さまざまなデザインに対応できるので、住宅設計の自由度が高まります。外観デザインを重視しながらも、実用性を確保できる選択肢として注目されています。
外壁に使えるレンガ調サイディングの種類と貼り方

レンガ調サイディングは3種類に分けられ、貼り方にもバリエーションがあります。好みや住宅のスタイルに合わせた選択が可能です。
種類や貼り方をまとめたので、レンガ調サイディングが気になる方は参考にしてください。
レンガ調サイディングの種類
サイディング素材(レンガ調)は、窯業系や金属系、樹脂系の3種類に分けられます。
ジャンル | 素材 | 特徴 |
---|---|---|
窯業系サイディング | セメントと繊維質 | 耐火性やデザイン性に優れる |
金属系サイディング | ガルバリウム鋼板 | 軽量で耐久性が高い |
樹脂系サイディング | プラスチック素材 | 耐候性とメンテナンス性 |
窯業系サイディングはセメントと繊維質から成り、耐火性やデザイン性に優れています。金属系サイディングはガルバリウム鋼板などを使用し、軽量で耐久性が高いのが特徴。樹脂系サイディングはプラスチック素材で構成され、耐候性とメンテナンス性に優れています。
外壁に使用する際は、それぞれの特徴を理解して選びましょう。
レンガ調サイディングの貼り方パターンと意匠バリエーション
レンガ調サイディングには、複数の貼り方があり、外観の印象を大きく左右します。
分類 | 名称 | 特徴や説明 |
---|---|---|
貼り方の種類 | 芋目地(通し目地)貼り | 縦横の目地が整列した端正なデザイン。最も一般的でシンプルな仕上がりです。 |
馬乗り目地(千鳥貼り) | レンガを互い違いに配置。リズミカルで動きのある印象が出せます。 | |
階段目地貼り | 目地が階段のようにずれる配置。視覚的なリズムが強調されます。 | |
意匠表現 | ランダム模様 | 複数の色を不規則に配置し、天然石や自然素材のようなナチュラル感を演出します。 |
擬似目地パターン | 目地部分の塗り分けにより、立体感とリアルなレンガ感を再現できます。 | |
2色塗り | レンガ部と目地を別の色で塗り分ける方法。本物のレンガ壁に近い仕上がりです。 | |
多彩模様吹き付け工法 | 数種類の塗料を吹き付けて層を作り、深みと高級感のある表情に仕上げます。 |
貼り方の種類
「芋目地(通し目地)貼り」は、目地が縦横に整列した端正な仕上がりで、最も一般的なパターンです。
「馬乗り目地(千鳥貼り)」では、タイルを互い違いに配置することで、馬の足跡のような動きのあるデザインが生まれます。「階段目地貼り」は目地が階段状になる構成で、視覚的なリズムが印象的です。
意匠表現
意匠表現としては、「ランダム模様」で天然素材のような自然な表情を出せます。「擬似目地パターン」は、目地部分を塗り分けて立体的なレンガ感を表現します。
なかでも「2色塗り」は、レンガ部と目地を別色で仕上げ、本物のレンガ壁に近い印象になります。「多彩模様吹き付け工法」では、数種類の塗料を重ねて高級感と深みを出します。
施工後に見えるシーリング目地の色まで検討すると、綺麗な仕上がりになります。
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外壁にレンガ調サイディングを選ぶメリット5選

レンガ調サイディングには、デザイン面だけでなく機能面でも多くのメリットがあります。メリットを理解して、自分に最適な外壁を実現しましょう。
高いデザイン性がある
レンガ調サイディングは、重厚感や温かみのある外観を簡単に演出できます。
カラーやテクスチャのバリエーションも豊富で、洋風、モダン、ナチュラルスタイルまで幅広く対応。外観の印象を格上げするには、最適な素材です。
短工期なうえ低コストで施工できる
本物のレンガ積みは長期の施工期間と高額な費用が必要ですが、レンガ調サイディングなら短期間で施工が終わります。材料費や工賃を抑えられるため、コストパフォーマンス重視の方に特におすすめです。
断熱性や遮音性がある

レンガ調サイディングは、断熱材一体型の製品も多く、外気温をシャットアウトして室内温度を快適に保てます。外部からの騒音も軽減できるため、住環境の快適性を高める効果も期待できます。
省エネ効果にもつながるため、光熱費の削減も期待できるでしょう。
耐震性や軽量性があり住宅を守れる
軽量なパネル構造により建物への負荷が少なく、地震時の揺れを軽減できます。建物の耐震性向上にも貢献し、安心して長く住み続けるための基盤づくりに役立ちます。
耐震性を上げたい方は、重量を抑えたレンガ調サイディングを選びましょう。
リフォームがしやすい
カバー工法にも適しており、既存の外壁の上からそのままレンガ調サイディングを貼り付けられます。解体作業が不要なため、手軽にリフォームが可能です。
外壁にレンガ調サイディングを選ぶデメリットとリスク

レンガ調サイディングには多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットも存在します。施工後に後悔しないために、事前にリスクを把握しておきましょう。
目地コーキングが劣化しやすい
レンガ調サイディングのパネル同士の隙間には、コーキング材が充填されています。コーキングは紫外線や風雨に晒され続けることで劣化が進み、硬化やひび割れを起こします。
そのまま目地の劣化を放置すると、雨水が浸入し外壁内部の腐食やカビが発生してしまいます。10年を目安に、定期的な打ち替えや増し打ちが必要です。
色あせやチョーキングが発生する
外壁材は年数が経過すると、表面の塗膜が劣化して色あせやチョーキング現象が発生します。特に、南向きや西向きの外壁は紫外線の影響を強く受けやすいため、劣化スピードも速まります。
手で触れると白い粉が付着するチョーキング現象は、塗膜劣化のサインです。早めに再塗装して、美観と防水性を保ちましょう。
反りやひび割れなどが起きる
レンガ調サイディングを長期間使用すると、パネルが反ったり、微細なひび割れが発生します。原因としては施工不良や経年劣化、温度変化による膨張、収縮などが挙げられます。
反りや浮きが目立つ場合は、放置するとさらなる劣化につながるため、早期のメンテナンスが必要です。
防水性が低い
レンガ調サイディング自体は完全防水構造ではないため、内部に通気層と防水シートを設ける必要があります。防水が不十分な施工だった場合、雨水が内部に侵入し、壁内結露や腐食のリスクが高まります。
防水施工の品質が住宅の寿命を大きく左右するため、施工業者選びには十分注意が必要です。
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レンガ調サイディングの実例

レンガ調サイディングを使用した実際の施工例を参考にすると、具体的なイメージがつかみやすくなります。好みのスタイルに合った事例を探して、理想の外観づくりに役立てましょう。
ナチュラル系住宅の施工事例

ベージュやブラウン系の、レンガ調サイディングを使用したナチュラルテイストの住宅は、暖かみのある優しい印象を与えます。自然素材との相性も良く、木目調の玄関ドアや、緑豊かな庭とのコーディネートを楽しみたい方におすすめです。
やわらかな色合いの外壁は、周囲の街並みにも溶け込みやすく、落ち着いた雰囲気を持つ住宅に仕上がります。
シックモダンな外観事例

濃いグレーやブラック系のレンガ調サイディングを選ぶと、シックでモダンな印象を与える外観になります。特に金属系サイディングを使用した場合は、クールな質感が強調され、スタイリッシュなデザインに仕上がります。
より一層モダンなテイストを希望する場合は、サッシや屋根も黒やシルバー系でまとめるとよいでしょう。
レンガ調サイディングのおすすめ商品

レンガ調サイディングは、各メーカーから多くのシリーズが展開されています。デザインや機能、素材の違いを比較しながら、自分に合った製品を選びましょう。
メーカー | シリーズ名 | 特徴 | 素材タイプ |
---|---|---|---|
ニチハ株式会社 | モエンエクセラード | 高級感あるリアルなテクスチャと高耐久性 | 窯業系 |
KMEW(ケイミュー) | セラディール | 深い意匠表現と親水機能によるセルフクリーニング効果 | 窯業系 |
アイジー工業 | アイジーサイディング | 超軽量で断熱性に優れた金属サイディング | 金属系 |
ニチハ株式会社
ニチハの「モエンエクセラード」は、本物のレンガのような深みのある質感が魅力です。耐久性も高く、色あせや汚れに強い仕様なため、長期間にわたって美しい外観を保てます。
デザインバリエーションも豊富で、好みに合わせられるのも魅力の1つです。
KMEW(ケイミュー)
KMEWの「セラディール」は、セルフクリーニング効果を持つ外壁材です。親水コート技術により、雨水で汚れを自然に洗い流してくれるため、メンテナンス性にも優れています。
デザイン面でも、シャープな印象からナチュラルな風合いまで幅広く展開され、選択肢が豊富です。
アイジー工業
アイジー工業の「アイジーサイディング」は、超軽量で高い断熱性を持つ金属サイディングです。特に、耐久性と断熱性を重視する方におすすめです。外観デザインもモダンでシャープなものが多く、都市型住宅にもマッチします。
軽量なので、耐震性にも優れている特徴を持っています。
レンガ調サイディングの費用相場

レンガ調サイディングを外壁に採用する場合、費用感を知っておくことが大切です。相場を押さえることで、安心して計画を進められるでしょう。
具体的な費用目安について解説します。
レンガ調サイディングの費用相場
30坪(約100㎡)の住宅でレンガ調サイディングを施工する場合、費用相場はおおよそ以下の通りです。
工法 | 費用相場 |
---|---|
新築施工 | 120万〜180万円前後 |
張り替え工事 | 150万〜220万円前後 |
カバー工法 | 100万〜160万円前後 |
使う素材やデザイン、施工会社によって金額は変動します。しかし、カバー工法が比較的リーズナブルに仕上がります。高級な意匠サイディングや断熱材付き製品を選ぶと、さらに費用が上乗せされるため注意が必要です。
見積もりチェックポイント
見積もりを取得する際は、単価だけでなく施工内容を細かく確認することが重要です。
具体的には、以下が含まれているかを確認してみてください。
- パネル代
- 下地補修費用
- 防水シート代
- 足場設置費用
- シーリング工事費用
施工後に追加費用が発生しないよう、項目ごとに明細が記載されているかチェックしましょう。
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外壁レンガ調サイディングの施工方法

レンガ調サイディングの施工方法は、大きく分けて乾式工法と湿式工法があります。それぞれの、工法の特徴をまとめました。
以下で詳しく見ていきましょう。
レンガ調サイディングパネルを貼り付ける「乾式工法」
乾式工法は、工場で成形されたサイディングパネルを現場で張り付ける方法です。モルタルなどを使わずに乾いた状態で施工するため、工期が短く品質も安定します。
また、防水シートを張った下地に金具や釘でパネルを固定していくため、天候が悪い日も施工が可能です。仕上がりにムラが出にくいため、多くの住宅で採用されています。
手作業でデザインにこだわれる「湿式工法」
湿式工法は、モルタルを使用して現場でレンガ調に仕上げる施工方法です。モルタルを塗った下地の上にパーツを一つずつ貼り付け、目地を仕上げていきます。職人の手作業なので、デザインや目地の幅を細かく調整できます。
施工には時間と高い技術力が必要なため、特別なデザインを求める住宅や店舗で採用されています。
レンガ調サイディングの選び方

レンガ調サイディングは、選び方次第で住宅の印象が大きく変わります。色選びや外観全体とのバランスを意識すると、後悔しない家づくりができるでしょう。
レンガ調サイディングを選ぶ、具体的なコツやポイントを紹介します。
レンガ調サイディングで失敗しない色の選び方
色選びで失敗しないためには、次の3つが重要です。
- 「ベースカラー、アソートカラー、アクセントカラー」を明確に分ける
- 色数は3色以内にまとめる
- 周囲の街並みとの調和を意識する
デザイン性を考えると、多くの色を使用したくなります。しかし、一般的には4色以上を使用すると、統一感がなくちぐはぐな印象になります。
また、個性を出しすぎると街並みに合わず浮いてしまいます。レンガ調サイディングを選ぶ際は、周囲とのバランスも考慮しながら色選びをしましょう。
サッシ・屋根・玄関ドアとの相性を考えた選び方

外壁の色や質感に合わせて、サッシ(窓枠)や屋根材、玄関ドアの色などを選びます。
例えば、赤レンガ調の外壁には黒や濃茶系のサッシを選ぶとシックな印象になります。ナチュラル系のレンガには、白や木目調のサッシを合わせると暖かみのある外観に仕上がります。
屋根材も外壁に合わせて選ぶと、おしゃれな家づくりが可能です。
シミュレーションツールを活用した選び方
シミュレーションツールを使用すると、外観のイメージがしやすく失敗しません。最近では多くのサイディングメーカーが無料でカラーシミュレーターを提供しています。
実際に仕上がりをイメージしてから決めると、最適な色や素材を選べます。
外壁レンガ調サイディングで後悔しない業者に依頼するコツ

外壁工事を業者に依頼する際は、外壁の状態や保証などを確認しなければいけません。施工後に後悔しないためにも、業者に依頼する際のコツを把握し外壁を自分好みに仕上げましょう。
現場調査では外壁の状態をチェックする
現場調査時には、外壁に欠陥がないかなど、状態を確認します。下地が腐食している場合は、補修費用が別途必要です。
防水シートや通気層の施工状況をチェックし、どの施工法がいいか業者と話し合いましょう。屋根や外壁の勾配が適切でないと、雨漏りが発生するので丁寧な調査が必要です。
施工保証やメーカー保証を必ず確認する

業者に依頼する前に、現在の外壁が施工保証やメーカー保証の対象期間内か確認します。保証期間中であれば、補修や交換が安くなりリフォーム費用を抑えられます。
特に、築10年以内の住宅では保証期間内の可能性が高いため、過去の工事書類や保証書を見直しましょう。
依頼先の業者を決める際には、施工後の保証内容についても必ず確認します。理想は、工事保証と製品メーカーが提供する製品保証の両方がついていることです。
施工保証には、シーリングの剥がれや浮きなど施工不良に対する無償対応が含まれます。製品保証では、サイディング材そのものに起きた不具合への補償が適用されます。
契約を結ぶ前には、保証期間や適用範囲を確認し、不明点があれば必ず質問しましょう。
契約書や保証書も確認する
業者に依頼する前に、契約書と保証書の内容が明確に記載されているかチェックします。工事内容や支払条件、保証の範囲などが曖昧、施工後のトラブルにつながります。
複数の見積もりを比較する際は、保証内容の他に担当者の対応力も確認すると良いでしょう。契約は必ず書面で行い、口頭の説明と相違がないかを契約前に見比べることが、安心して施工を任せる第一歩です。
まとめ|理想の外観をレンガ調サイディングで手に入れよう

レンガ調サイディングは、デザイン性や施工性、機能性のバランスが取れた外壁材です。正しい知識を元に施工方法やデザインを選ぶと、後悔のない理想の外壁が実現できます。
まずは外観のイメージを明確にし、レンガ調サイディングのデザインを選びましょう。
レンガ調サイディングの外壁を検討されている方は、ぜひペイプロをご利用ください。ペイプロは、外壁塗装の専門業者を比較・紹介してくれる無料のマッチングサービスです。
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