外壁塗装で助成金・補助金を使う方法を徹底解説!

外壁の塗装や損傷の修理を検討しているものの、費用が高くてなかなか踏み切れない方は多いのではないでしょうか。費用負担の大きさから、せっかくのタイミングを逃しがちです。

この記事で分かること
  • 外壁塗装の工事費用の相場
  • 国や自治体から受けられる助成金・補助金の種類と金額の目安
  • 助成金の利用手順や申請時の注意点


結論として、国や自治体の助成金・補助金制度を上手に活用すれば、外壁塗装にかかる費用負担を大幅に軽減できます外壁塗装は住宅を長く良好な状態で維持するために重要なリフォームなので、後回しにせずこの記事を参考にぜひ助成金制度を活用してください。

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監修者:藤孝憲

監修者:藤 孝憲
保有資格:宅地建物取引士・SEO検定1級・CFPなど

資格を活かし、中立的な立場で記事の執筆・監修を行っている。常に生活者目線で専門用語もわかりやすく解説し記事を執筆している。

目次

外壁塗装の助成金制度とは?

外壁塗装の助成金制度とは?

外壁塗装の助成金制度は、国や地方自治体が住宅の外壁塗装にかかる費用の一部を補助する制度であり、その目的は住宅の維持・保全と環境保護にあります。

外壁塗装助成金は、美観の維持や住宅の耐久性向上、ヒートアイランド対策や省エネルギー促進など環境改善を主眼に、市民の生活品質向上と地域経済の活性化を目指しています。

外壁の塗装に使える助成金の制度について

外壁塗装に使える助成金は、約3分の1の自治体で実施されており、主に住宅の美観維持、耐久性向上、及び環境改善を目的としています。

高額な工事費を部分的に助成することで劣化放置を防ぎ、環境性能の高い塗料使用なども支援されます。これにより地元施工業者の活性化にも寄与します。

外壁塗装助成金の制度の目的

外壁塗装助成金の制度の目的

制度の目的は、住宅の外壁劣化を防ぎ、住宅全体の寿命を延ばすこと、正しい時期に適切な施工を促すことにあります。

また、環境保護を推進し、省エネルギー促進や地球温暖化防止に寄与することも重要です。助成金はこれらの広範な目的を達成するための経済的支援として機能しています。

環境保護のための遮熱塗料

環境負荷軽減を目的とした遮熱塗料の利用を助成する制度もあります

遮熱塗料は熱を反射し、室内外の温度上昇を抑え冷房負荷を軽減することでCO2排出量削減や省エネルギー化に貢献します。こうした省エネルギー効果はヒートアイランド対策にもつながり、地域の環境改善に資するため助成金が設けられています

助成金と補助金の違い

助成金は、一定の要件を満たせば支給される比較的審査の緩やかな制度で、助成率は一般に低めです。

一方、補助金は申請後に厳しい審査があり、予算や採択件数が限られ必ず受給できるとは限りませんが、支給される金額は高めの傾向があります。

両者とも返済義務はありませんが、対象の違いや申請の手順が異なります。

助成金の納税や返済は原則不要

外壁塗装の助成金は所得税の対象外であり、申告や返済は不要なことがほとんどです

ただし、自治体や助成金の種類によって例外があるため、申請時に詳細の確認が必要です。多くの場合、助成金は融資ではなく給付であるため返済義務はありません。

外壁塗装の助成金を受け取るまでの流れ

外壁塗装の助成金を受け取るまでの流れ図解

外壁塗装の助成金を受け取るには、申請から給付まで4つの基本的なステップを順に踏む必要があります。これらの手順をしっかり把握し、申請期限や必要書類などを確実に守ることが重要です。

  1. 利用できる助成金を調べる
  2. 工事する前に申請
  3. 報告書の提出
  4. 補助金を受け取る

1.利用できる制度を調べる

まず、住んでいる自治体や国、都道府県で外壁塗装に使える助成金・補助金の制度が実施されているかを確認します。

自治体の公式サイトや住宅リフォーム支援制度の検索サイト、役所の窓口、または施工業者に問い合わせる方法があります。自治体によって制度内容や申請期間が異なるため、最新情報を正確に把握しましょう。

地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト|一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会

2.工事する前に申請

助成金を利用する場合、必ず工事の着工前に申請を行い、受理される必要があります

申請時には見積書や登記事項証明書、施工前の写真、未納税額の証明書など所定の書類を自治体に提出します。申請から交付決定までには通常数日から数週間かかるため、余裕をもって準備してください。交付決定後に工事契約や着工が可能となります。

外壁塗装の助成金申請に提出する書類

  • 必須書類
  • 塗装工事の見積書
  • 施工建物の登記事項証明書
  • 施工前の建物の写真
  • 納税証明書(未納がないことの証明)

条件によって必要な書類

  • 塗料の性能に関する証明書類(塗料のカタログなど)
  • 委任状(施工業者の代理申請の場合)
  • 貸主の承諾書(賃貸物件をリフォームする場合)

3.報告書の提出

外壁塗装の報告書の提出

工事完了後は、施工後の報告書と施工前後の写真を自治体に提出します報告書の提出期限は工事完了後1〜2ヶ月以内が一般的です。提出書類の不備があれば差し戻しがある場合もあるため、内容を十分確認し提出しましょう。

外壁塗装の施工後に提出する書類

  • 工事完了報告書(実績報告書)
  • 施工前・施工後の写真

4.給付の受け取り

報告書の審査が通ると、交付確定通知書が届きます。これを受けて補助金交付請求書を提出すると、助成金が指定口座に振り込まれます。

込まで通常2週間から1ヶ月程度かかるため、スケジュールに余裕をもって進めることが望ましいです。自治体によっては支払い条件や手続きが異なる場合もあるため確認が必要です。

外壁塗装の助成金受取時に提出する書類

  • 補助金交付請求書

以上の流れを踏むことで、スムーズに外壁塗装の助成金を受け取ることが可能です。申請条件や期限、必要書類をしっかり確認し、適切な時期に手続きを開始することが大切です。

外壁塗装で助成金申請するときの条件

外壁塗装で助成金申請するときの条件図

外壁塗装の助成金を申請するには、物件と申請者それぞれに定められた条件を満たすことが必須です。条件を正確に把握し、自治体や制度ごとの違いも確認したうえで準備しましょう。

物件の条件

  • 申請者がその住宅の所有者であること
  • 所有する住宅が助成対象となる地域内にあること
  • 外壁塗装が必要な経過年数や状態であること
  • 指定された塗装業者に依頼すること
  • 指定された塗料を使用すること

(補足)条件は自治体によって異なるため、詳細は自治体の最新情報を確認してください。

対象者の条件

  • 該当の物件に居住する目的で改修であること
  • 居住予定年数が5年以上(移住などの場合)
  • 空き家バンクの利用があれば助成率アップ
  • 所得制限
  • 市区町村税の滞納がないこと

(補足)申請者の条件も自治体ごとに異なるため、必ず事前に確認が必要です。

外壁塗装に助成金を利用する際の注意点

外壁塗装に助成金を利用する際の注意点

外壁塗装の助成金を利用する際は、申請可能な制度の有無や申請手続きのタイミング、工事内容の適合性、そして税金の滞納状況など、複数のポイントに注意しなければなりません。これらを確認せず申請や工事を進めると、助成金を受け取れないリスクがあります。

対象の制度がないケースがある

外壁塗装の助成金は全国の多くの自治体で実施されていますが、対象とする制度がない地域も存在します。また、助成金は年度ごとに予算や申請受付期間が設定されており、期限切れや予算上限に達している場合も申請できません。最新の自治体情報を必ず確認し、制度の実施有無や申請期間を逃さないようにしましょう。

交付決定前に着工された工事は対象外の場合がある

ほとんどの助成金制度では、交付決定前に工事の着手や契約を行っていると助成対象外となります。申請は必ず工事開始前に行い、交付決定後に施工契約及び着工を行う必要があります。これを守らないと助成を受けられないため、申請と工事の順序を厳守しましょう。

遮熱塗装が向かない家がある

遮熱効果のある塗料は、省エネや環境保護の観点で推奨されることが多いですが、住宅の断熱性が十分でない場合や地域の気候条件によっては、冬季の室内温度を下げてしまい快適性を損なう可能性があります。遮熱塗装を検討する際は、家の断熱状況や住環境を確認し、必要に応じて断熱工事と併せて計画することが望ましいです。

工事の条件が合わないケースがある

工事の条件が合わない助成金がある

助成金の支給条件は自治体ごとに細かく設定されており、使用する塗料の種類、工事範囲、施工業者の指定、申請者の居住状況や所得制限など、多様な条件が存在します。これらを満たさないと申請が認められなかったり、助成金を受け取れない事態が生じます。申請前に必ず自治体の詳細条件を確認し、業者とも相談して条件適合を確実にしましょう。

税金の滞納を確認し支払う

住民税や固定資産税などの地方税を滞納していると、多くの自治体で助成金の交付対象外となります。申請前に滞納がないか確認し、未納分があれば先に支払いを済ませておく必要があります。滞納がある状態で申請すると助成金が不交付になるため注意が必要です。

自治体が業者を指定している場合がある

一部の自治体では、助成金を受けるために指定された業者に施工を依頼することが条件となっています。指定業者リストに載っている施工業者でなければ助成対象外となるため、事前に自治体の公式情報で業者の指定有無と対象業者を必ず確認しましょう。指定業者以外の利用を認めないケースや、助成率が変わる場合もあります。

見取り図や平面図が必要なことがある

助成金申請には、工事計画を示すために見取り図や平面図の提出を求められる場合があります。特に工事前の状態と改修箇所を明確に示すことで、申請審査がスムーズになるため、必要書類として準備しておくことが望ましいです。自治体によって書類の要件は異なるため、申請前に公式案内を確認してください

申請や認定に時間がかかるケースがある

助成金の申請受付から交付決定までには自治体や申請内容によって数日から数週間かかることがあります。特に申請期間の終了間近や予算が限られている場合は審査に時間がかかることもあるため、工事開始前の申請は余裕をもって行うことが重要です。また、完了報告書の提出後も助成金の振込まで一定の期間が必要です。

以上の注意点を踏まえて、助成金申請の業者選択や必要書類の準備、申請スケジュールに余裕をもつことが、スムーズな助成金の受給につながります。自治体による条件の違いを必ず確認し、適切な手続きを行いましょう。

助成金の相場

外壁塗装費用の相場と助成金の相場

助成金の支給額は自治体や制度により異なりますが、多くの場合は塗装費用の数十パーセント(例:10〜30%程度)が上限として設定されています。例えば100万円の工事であれば数十万円の助成金が期待できるケースが多いです。ただし、上限額が決まっていることも多いため、申請前に必ず自治体の詳細条件を確認しましょう。

外壁塗装費用の相場

外壁塗装の助成金はどのくらい支給される?

外壁塗装費用は住宅の大きさや使用する塗料によって差がありますが、目安として坪数別に以下のような相場があります。この費用感を知ることで、予算の計画がしやすくなります。

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作業名作業内容単価価格例
足場費用仮設足場費用(組立費及び解体費)800円/㎡~900円/㎡2階建・120㎡
155,000円
飛散防止用シート費用100円/㎡~150円/㎡
高圧洗浄現在の外壁の洗浄250円/1㎡2階建・外周23m
45,000円
養生ビニール養生1000円/施工箇所例)17か所
17,000円
下地処理亀裂補修(コーキング)など一式で25000~30000円一式で25000~30000円
下塗りプライマー施工600円/㎡~1050円/㎡2階建・120㎡
108,000円(@600円)
中塗り・上塗り2回同価格・塗料で価格差750円/㎡~1200円/㎡2階建・120㎡
180,000円(@750円)


このほかに、屋根の下の軒天や戸袋など、外壁以外の付帯部分の塗装がオプションとして金額が追加になる場合がありますので事前に確認が必要です。

遮熱塗料は高価

遮熱効果のある塗料は、一般的なシリコン塗料やラジカル塗料に比べて約1.3倍(20%前後)高価です。たとえば遮熱塗料と、一般的なグレードのシリコン塗料・ラジカル塗料を比較した場合、下記のような違いになります。

塗料の価格の比較

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遮熱塗料シリコン塗料ラジカル塗料
単価 (1㎡あたり)3,000~4,000円2,000~3,000円2,500~3,500円

代表的な遮熱塗料の商品例には、日進産業のGAINA(ガイナ)、日本ペイントのサーモアイシリーズ、エスケー化研のクールタイトなどがあります。

なお、近年は人件費や材料費の高騰もあり、外壁塗装の費用は常に最新の相場を確認することが推奨されます。

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【過去例】外壁や屋根の塗装に利用できる助成金

【過去例】外壁や屋根の塗装に利用できる助成金

以下に外壁塗装が対象となる助成金の例をご紹介します。

※こちらの制度例は2023年の実施分を掲載しています。最新の実施情報は自治体のWebサイトをご確認ください。

【2023年度】外壁塗装に使える自治体の助成金・補助金の例

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地域・制度名助成金内容主な助成金申請条件
東京都

杉並区 再生可能エネルギー等の導入助成及び断熱改修等省エネルギー対策助成【エコ住宅促進助成】
・高反射率塗装(屋根・外壁)
 屋根・外壁合わせて 限度額15万円
・既存住宅のみ
・期限内に完了報告書類提出
・杉並区内建物に対象機器等を導入する杉並区民の方
・杉並区内の店舗や事業所に対象機器等を導入する杉並区内中小企業者(法人、個人事業主)
 ・ただし申請時、代表者が杉並区内に居住している場合に限る
東京都

奥多摩町 移住・定住応援補助等
補助金限度額220万円(現金200万円、商品券20万円・事業費の2分の1以内の補助)

・町内業者の利用で10万円の商品券上乗せ
・地場木材の活用で10万円の商品券上乗せ
・住宅購入、リフォーム
・事業費が10万円以上
・年齢45歳以下の夫婦、子どもがいる世帯、35歳以下の単身者
・実施後1年以内に申請
・申請者本人が事業を実施する場合も対象
埼玉県

春日部市 空き家リノベーションまちづくり事業
1.空き家バンク利用で空き家リノベーション…最大60万円
2.空き家バンク利用で空き家解体し、建て替え…最大60万円
3.空き家バンク利用以外での空き家のリノベーション…最大30万円
4.空き家バンク利用以外で空き家を店舗としてリノベーション…30万円

【加算】定住促進加算金(商品券)上乗せ助成
・空き家を所有または購入し、住宅もしくは店舗の改修をする人
・市区町村税を滞納していない人
・リフォーム工事の14日前までに申請
埼玉県

所沢市 勤労者住宅補修資金貸付制度
・貸付限度額:500万円
・貸付期間(償還期限65歳まで)
 1.200万円以下:10年以内
 2.200万円超:15年以内

・貸付利率:貸付期間10年以内
金利(初年度から)
全期間固定金利:年0.34%
全期間変動金利:年2.715%
・市内に引き続き1年以上住所を有している方
・申し込み時の年齢が20歳以上60歳以下の方
・市税を滞納していない方
・主として世帯の生計を維持している方
※自営業・事業主・専従者・会社役員等の方は利用できない 
千葉県

白子町 住宅リフォーム補助金交付
補助率:補助対象となる工事に要する額の10%に相当する額
上限:20万円
・自己の居住としている住宅
・リフォーム後に転入し居住する住宅
・白子町に住民登録し居住又は工事後に転入
・世帯全員が従前居住地含む地方税の滞納がないこと
神奈川県

横須賀市 2世帯住宅リフォーム補助金
子ども家族が転入して親世帯に住むためのリフォーム費用の2分の1、最大30万円・先着5件
・市外からの転入
・過去に本制度の交付がない
・市税を滞納していないこと
・暴力団員ではないこと
群馬県

太田市 住宅リフォーム支援事業補助金
補助対象額の 30%(千円未満切捨)かつ 20 万円を限度とし、太田市デジタル金券で交付・登録業者を利用してリフォームを行う
・補助対象額が税込10万円以上
・市税の滞納がないこと
愛知県

豊橋市 空家利活用改修費補助金
・一般世帯:対象費用の1/2
(上限50万円)
・新婚・子育て世帯:対象費用の2/3
(上限66万円)
・空家物件の所有者、購入者、賃借人で、その物件を3年以上利活用できる方
・市税の滞納がないこと
大阪府

大阪市 民間戸建住宅等の耐震診断・改修等補助制度
・「補助対象費用に補助率を乗じた額」と「限度額」のうち低い額
・補助率:2分の1(上限100万円)
※耐震性の向上で壁補強工事と一緒に行う、外壁のひび割れ補修が補助対象となる場合がある。

・大阪市内にある民間住宅
・平成12年5月31日以前の建築
・年間所得が1,200万円以下

国や東京都などが実施・外壁塗装に使える助成金

また、以下のように 国や都道府県が直接実施する助成金・補助金が、外壁塗装に利用できるケースもあります。

外壁塗装に使える自治体以外の助成金

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地域名・制度名助成金内容主な助成金申請条件
国土交通省

子育てエコリフォーム支援事業
・外壁断熱:112,000円
・外壁部分断熱:56,000円
・外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
・事務局登録の型番の製品を使用した工事のみ対象
東京都

既存住宅省エネ改修促進事業
・補助率23%・省エネルギー対策工事の実施
・戸建、マンション
・区民税の滞納がないこと

助成金以外に工事費用を安くする方法

助成金以外に外壁塗装の工事費用を安くする方法

助成金を利用できない場合でも、工事費用を抑える方法はいくつかあります相見積もりの活用や依頼の工夫、業者選びや塗料のグレード変更などで費用削減が可能です。以下に具体的なポイントを解説します。

助成金の対象外や申請不可の場合でも、工事費用をできるだけ安く抑えるために役立つ方法を実践してください。

相見積もりで安い業者に依頼する

最も効果的な節約方法の一つは、必ず3社以上から相見積もりを取ることです。これだけで数万円から時には十万円単位の費用削減が可能です。

価格競争が働くため、工事費用を5%〜10%程度値引きできることがあります。ただし、安さだけで業者を決めると質が低下する恐れがあるため、施工実績や口コミも確認し、納得できる業者を選びましょう

見積もりの工事内容はできるだけ同条件に揃えて比較することで、適正な価格差を判断しやすくなります。また、条件が似ていても数十万円の差が出ることも珍しくありません。

工事依頼の仕方を工夫する

工事を安くするためには、依頼する時期や工事内容のまとめ方を工夫することが効果的です。閑散期に依頼することで値引き交渉がしやすく、同時期に複数の工事をまとめて行うと足場代の節約につながります

具体的には、施工が安定する4〜5月や9月を避け、比較的工事が少ない6〜7月や12〜2月に依頼すると5万円程度安くなるケースがあります。また、外壁塗装と屋根や雨どいの修繕を同時に依頼して足場の設営を共通化すれば、15〜20万円ほどの費用節約が見込めます。

複数の工事をまとめる際は、同じ業者に依頼するか、別業者間で連携を取ってもらうことが重要です。工事の順序や調整をしっかり行い、スムーズに施工が進むようにしましょう。

地元の外壁塗装の業者に頼む

地元の塗装業者に依頼すると、大手業者に比べて30〜40万円ほど費用を節約できることが多いです。中間マージンや販売経費が抑えられるため、費用が大幅に安くなるメリットがあります

また、地域密着型の業者は施工後のトラブル対応やメンテナンスが迅速かつ手厚い傾向にあり、長期的な安心感も期待できます。大手に依頼しても実際の施工は下請け業者に任される場合が多いため、初めから地元業者を選ぶことが費用対効果の面で有利です。

塗料のグレードを変更してもらう

塗料のグレードを変更してもらう

外壁塗装の費用を抑えたい場合、フッ素塗料や無機塗料などの高級塗料から、一般的なシリコン系塗料に変更することで約15万円程度の節約が可能です。

ただし、塗料の耐用年数や品質に影響が出るため、あまりランクの低い塗料にすると寿命が大幅に短くなるリスクがあります。塗料選びは費用と性能のバランスを考慮し、専門業者とよく相談して慎重に決めることが重要です。

不要な作業内容を削る

外壁塗装の費用を抑えるためには、必要のない作業を削減することが効果的です。たとえば、雨どいの塗装を省くだけでもかなりの節約が見込めます。

見た目のためよりも、実際に必要な部分に絞って施工内容を見直すことで、工事全体の費用を低く抑えられます。不要な付帯作業を減らすことが、費用削減につながる重要なポイントです。

リフォームでも住宅ローン減税を利用する

リフォームローンでも住宅ローン減税の適用が可能で、所得税の控除により費用負担を軽減できます。たとえば、120万円の外壁塗装の場合、通算で約10万円の控除が受けられます

この住宅ローン控除は、リフォームローン借入残高の0.7%が10年間にわたり所得税から控除される制度であり、対象となるには増改築等工事証明書の提出や所得制限(年間所得2000万円以下)、借入期間10年以上などの条件があります。

リフォーム費用の負担軽減として活用を検討してください。

火災保険を使えないか確認する

外壁塗装に火災保険を使えないか確認する

火災保険が外壁塗装の助成金に利用できる場合があり、補償内容を確認することで工事費用の負担を軽減できる可能性があります火災や風災、雪災、水災などの自然災害による外壁の損傷が補償対象です。

ただし、施工不良や経年劣化は対象外であり、被害の程度や保険契約内容によって給付金が支給されるかが左右されます。地震で外壁が損傷した場合、地震保険に加入していれば補償を受けられることもあります。

火災保険の適用可否や申請方法については、専門の情報も参考にすると良いでしょう。

外壁塗装の火災保険の申請は、以下の記事も参考にしてください。
外壁塗装で火災保険申請をする方法

リフォームローンを利用する

リフォームローンは工事費用を直接安くする方法ではありませんが、助成金や保険利用後でも残った負担を分割で支払う手段として有効です。借入先は既存の住宅ローン金融機関、銀行のフリーローン、施工業者の提携先などが選べます

住宅ローン返済中の場合は金融機関に相談して金利優遇や借り換えを検討するのが一般的です。フリーローンは担保なしで借りやすい反面、金利はやや高めです。施工業者提携のローンは審査が簡便な場合がありますが条件が固定されることもあります。

借入条件は金融機関の判断や契約者の年齢によって異なるため、工事の概算が分かり次第、早めに相談をしましょう。

DIYで外壁を安く施工する

DIYで外壁塗装を行うことは可能ですが、安全面や仕上がりの面でリスクが高く、一般の方にはあまりおすすめできません特に足場の組み立てや高所作業は専門資格が必要で危険です。

色調整の難しさや技術不足によるムラ、耐用年数の短さなど、専門業者に依頼する場合と比べると満足のいく施工が難しいことがあります。長期的な視点で考えると、施工不良や劣化が早く起きる可能性が高いため、可能な限り業者に依頼することが望ましいです。

DIYは費用を抑える選択肢の一つですが、上記のリスクを踏まえて慎重に検討してください。

外壁塗装をしなくても問題ない?

外壁塗装をしなくても問題ない?

外壁塗装をしないと、外壁が劣化し、建物の耐久性や美観が損なわれるため、問題が生じやすいです。塗装を放置することは短期的には費用を抑えられますが、長期的には大きなリスクとなるため注意が必要です。

外壁は風雨や紫外線にさらされ続けるため、適切なタイミングで塗装を行うことで建物の寿命を延ばし、修繕費用も抑えることができます。放置すると劣化が進み、補修や修理にかかるコストが急増することがあります。

放置するほど修理コストが高くなる

外壁塗装を放置すると、ひび割れや剥がれ、雨水浸入などの劣化が進行し、結果的に修理費用が大幅に高くなります。早期に塗装や補修を行うことで、長い目で見て経済的な負担を軽減できます

劣化状態が悪化すると、部分的な再塗装だけでなく下地の補修や大規模な修繕が必要になり、数十万円以上の追加費用が発生する可能性があります。定期的に外壁の状態をチェックし、適切なタイミングでのメンテナンスを心がけましょう。



塗膜が劣化しているサイン

初期の劣化レベル・ツヤがなくなってくる
・汚れが出やすくなる(洗浄してもすぐ汚れる)
・幅0.3mm未満の小さなひび割れ
・水分や空気を含んだ膨らみ など
進行した劣化レベル・カビやコケ、藻の発生
・色が褪せている
・塗膜の膨れが剥がれになった
・チョーキング(壁面を手で触ると粉状のものが付く) など

外壁塗装助成金のよくある質問

外壁塗装助成金のよくある質問

記事のおさらいを兼ねて、よくある質問をご確認ください。

外壁塗装の助成金は、何のために設けられていますか?

外壁塗装助成金は、環境改善と地域振興という大きく2つの目的で設けられています。

環境改善ではヒートアイランド対策や省エネルギー促進、地域振興では空き家対策や移住促進に役立てられています。
このため、対象となる助成金制度は約3分の1の自治体で実施されています。

外壁塗装の助成金は、どのくらいの比率で助成されますか?

多くの自治体では工事費の10〜20%、上限は10万〜30万円程度が一般的です。一方、空き家対策や地方移住推進の助成金では、50万円〜200万円規模の高額助成もあります。

制度の申請には、どんな条件がありますか?

一般的な条件は、申請者が住宅の所有者であること、外壁塗装に適した経過年数や状態であること、居住目的の改修であることなどです。また、所得制限や税金の滞納がないことも重要な条件となります。

外壁塗装の傷みを放置すると、どうなりますか?

放置すると外壁のひび割れや剥離、雨漏りなどの劣化が進み、修復費用が大幅に増加します。早めの補修が家の維持コストの節約や資産価値の維持につながります。

制度の申請は、どんな流れになりますか?

申請は工事前に行い、工事後に報告書を提出して助成金を受け取ります。助成金を利用するには、事前申請や報告書提出を忘れないことが重要です。

助成金と補助金の違いは何ですか?

助成金は一定条件を満たせば支給され、助成率は一般に低めです。補助金は審査があり条件が厳しい代わりに、助成率が高いことが多いです。どちらも返済は不要です。

外壁塗装の助成金の募集開始はいつごろですか?

多くの自治体では3月後半から5月前半に募集を開始します。ただし、申込み数の上限に達した時点で早期締切となる場合もあります。募集期間や締切は自治体のホームページや窓口で確認が必要です。

申請から支給されるまでの期間はどのくらいですか?

申請がスムーズに進めば、工事終了後3週間程度で支給されます。場合によっては1ヶ月以上かかることもあるため、余裕を持って進めましょう。

外壁塗装の助成金の申請は誰がしますか?

申請者は制度によりますが、施主自身の場合と施工業者代行の場合があります。慣れている業者に相談すると手続きがスムーズです。

外壁塗装の助成金の問い合わせ先はどこにしますか?

まずは各自治体の役所の専用窓口に問い合わせましょう。また、経験豊富な施工業者に相談するのも有効です。

外壁塗装の助成金を利用するうえでの注意点は何ですか?

助成金の対象がない場合や、遮熱塗装が適さない住宅もあります。また、税金の滞納があると申請できないこと、指定業者や図面の提出などの条件にも注意が必要です。申請や認定に時間がかかり、交付決定前の着工は禁止されています。

助成金を利用する以外に、外壁塗装の費用を安くする方法はありますか?

はい。複数社から見積もりを取得して比較したり、閑散期の利用、リフォーム工事との同時施工などで費用を抑えられます。その他にも地元業者に依頼、塗料のグレード見直し、不必要な作業の削減、火災保険活用、リフォームローンの利用などがあります。

まとめ

まとめ

外壁塗装の工事費用全体の相場はどのくらいか、助成金がどのくらい受けられるのか、申請の流れなども含めて解説しました。

外壁塗装の助成金を利用する際は、事前にしっかり調べることと、見積もりと工事を計画的に進めることの2点が大切です。

また、塗料や工程などの外壁塗装の基礎知識を持っておくと、スムースな申請が可能でしょう。専門家のサポートも受けながら、助成金でお得に外壁塗装を行ってください!

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