屋根塗装には高い防水性が必要?防水塗装や雨漏り対策のポイントを解説!

近年の気候変動や激しい雨により、住宅の屋根に高い防水性が求められています。屋根塗装は単なる見た目の改善だけでなく、防水対策や雨漏り防止を目的とした重要なメンテナンスです。

この記事で分かること
  • 屋根塗装が持つ防水機能の役割と重要性
  • 雨漏り対策のポイントやよくあるトラブル例
  • 安心して施工を進めるための手順や注意点

結論として、屋根塗装で適切な防水対策を行うことは、建物の寿命を延ばし、大きな修繕費用を防ぐために欠かせません。正しい施工方法を理解して早めのメンテナンスを心がけましょう。

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監修者:藤孝憲

監修者:藤 孝憲
保有資格:宅地建物取引士・SEO検定1級・CFPなど

資格を活かし、中立的な立場で記事の執筆・監修を行っている。常に生活者目線で専門用語もわかりやすく解説し記事を執筆している。

目次

屋根塗装は必要?防水性の落ちた外壁を放置すると危険!

屋根塗装は必要?防水性の落ちた外壁を放置すると危険!

屋根塗装は家を守るために欠かせません。塗装を怠ると防水性が失われ、雨漏りや劣化を引き起こし、結果的に大きな修繕費用が必要になります。

屋根は日本瓦など一部を除いて、定期的な塗装が不可欠です。スレート屋根やガルバリウム鋼板などの金属屋根は、本来水に弱い素材であるため、塗装やメッキによって防水性を確保しています。しかし、その表面処理も年数とともに劣化し、最終的に防水機能を失ってしまいます。

防水性を失った屋根は雨漏りを発生させ、住宅全体の劣化を加速させます。一度雨漏りが起きてしまうと、単なる塗り直しでは内部の補修ができず、大掛かりな工事が必要となります。だからこそ、大きな被害を防ぐために、定期的な屋根の塗り直しは非常に重要なのです。

屋根塗装で防水性を高めるには?塗料の種類と特徴

屋根塗装で防水性を高めるには?塗料の種類と特徴

屋根の防水性を長持ちさせるためには、環境や希望に合った塗料を選ぶことが大切です。塗料によって耐久性や機能が大きく異なるため、コストや生活環境を踏まえた最適な選択が必要になります。

屋根塗装に用いられる塗料には、耐久性・価格帯・機能性に違いがあります。一般的な樹脂系塗料から最新の特殊機能塗料まで幅広く、種類を理解することで、防水性の維持だけでなく住環境の快適さも向上させられます。

屋根塗装に使われる塗料の種類と特徴

選ぶ塗料によって屋根の寿命が変わります。ウレタン、シリコン、フッ素、無機の4種類が代表的で、それぞれ価格・耐久年数・特徴が異なります。

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塗料耐久年数特徴
ウレタン系8~10年最も安価で密着性・伸縮性が高い塗料。
綺麗な状態を保ちたい方、色を頻繁に変えたい方におすすめ。
耐久年数が短いため、防水性維持のために、こまめに塗装をする必要がある。
シリコン系10~15年耐久年数も長く、比較的安価なため、1番人気の塗料。
色の種類も豊富で外壁に合わせた色が見つかりやすい。密着性が低いため下地処理を慎重に行う必要がある。
種類が多く、価格だけで決めてしまうと耐久年数が短くなってしまう事もあるため、塗料選びの際に注意が必要。
フッ素系15~20年耐久性が高く、汚れ、紫外線に強いのが特徴。
高い耐久性が求められる公共建築に多く使われていたが、現在は種類も増え、一般住宅にも普及している。
費用が高額になってしまうが、塗膜の劣化が早い、海沿いや日当たりの良い地域などにおすすめ。
無機20~25年セラミックと似た性質を持っており、石やガラスなど経年劣化に強い素材を含んだ塗料。
耐久性が非常に高く、塗り替え頻度も抑えられるため、長期的なコストパフォーマンスが高い。
無機塗料の取り扱いがない業者も多いため、希望する場合は施工が可能か確認が必要。

特殊機能塗料

機能性を重視するなら特殊機能塗料も検討しましょう。遮熱・断熱・光触媒といった追加機能があり、住環境の悩みに応えることができます。

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特殊機能塗料特徴
遮熱塗料熱や光を反射する効果のある塗料。
2階が熱い、エアコンの効きが悪い、などのお悩みがある方におすすめ。
しかし、遮熱塗料のみで効果を感じることは難しく、実際は室温-2℃程度のため、他の断熱工事等と合わせて採用するのが良い。
断熱塗料熱伝導を抑える効果がある。
遮熱効果も備わっているため、冬は室内の暖かさを守り、夏はエアコンの冷気を逃さないのが特徴。
遮熱塗料より高い効果を感じることができるが、より断熱性を高めるには二重窓などの対策を同時に行うことがおすすめ。
光触媒塗料光触媒とは光を利用して化学反応を起こし、汚れを分解させる機能。
雨などの際に汚れが流れやすく、セルフクリーニングしてくれるという特徴がある。
急な傾斜の屋根など、表面の状況が見えやすい形状の屋根におすすめ。費用は上がるが、耐久性も高く、綺麗な屋根を維持することができる。

陸屋根・屋上・バルコニーは防水工事が必須!

陸屋根・屋上・バルコニーは防水工事が必須!

陸屋根や屋上、バルコニーは水がたまりやすいため、防水工事を行わないと雨漏りのリスクが非常に高くなります。そのため、定期的な防水対策は欠かせません。特にバルコニーやベランダが下の部屋と重なる構造では、水の侵入が室内に直接影響するため注意が必要です。

防水工事には主に「ウレタン樹脂防水」「FRP防水」「塩ビシート防水」の3種類があります。それぞれ工法や仕上がり、施工条件が異なるため、場所や用途に応じた選択が重要です。

ウレタン樹脂防水

ウレタン樹脂防水は、陸屋根でよく使われる万能な工法です。

施工後はゴム状に硬化し、建物の動きにも追随するため、ひび割れが起きにくく継ぎ目のない美しい仕上がりになります。ただし、施工は職人の技術に左右されることがあるため、実績豊富な業者に依頼することが安心につながります。

また、耐久性を維持するためには5年ごとのトップコート塗り直しが必要です。施工手順は「下地調整 → 脱気シート設置 → ウレタン2層塗り → トップコート仕上げ」と進みます。

FRP防水

FRP防水はベランダやバルコニーのように人が歩く場所に最適です。

強度・防水性・耐久性に優れ、劣化しにくいため安心感があります。短時間で硬化し施工が早い点もメリットですが、費用は比較的高めです。

また、施工時に独特の臭いがあるため、近隣環境に配慮が必要です。FRP防水は「下地にプライマー塗布 → ガラスマットと樹脂で防水層形成 → トップコート仕上げ」という流れで施工されます。

塩ビシート防水

塩ビシート防水は、屋上や広い陸屋根に向いており、工程が少ない分、コストを抑えられるのが特徴です。重ね塗りやトップコートが不要で、シートを接着剤で密着させる工法ではさらに安価に施工できます。

ただし、複雑な形状や凹凸がある下地では施工が難しい場合があります。また、シートの端を確実に接着・融着しなければ雨水侵入の可能性があるため、物件条件に合った場合のみ採用できる工法です。

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屋根点検と種類でわかる!屋根塗装のタイミング

屋根点検と種類でわかる!屋根塗装のタイミング

屋根塗装のタイミングは屋根材の種類や劣化状況によって異なります。定期的に点検を行い、適切なタイミングで塗装や補修を行うことが、雨漏りや大掛かりな修繕工事を防ぐ最も効果的な方法です。

屋根は台風や強風、ゲリラ豪雨などの影響で、寿命を迎える前に破損や劣化が進むこともあります。だからこそ、定期的な点検で状況を把握し、屋根材ごとの特徴に合わせたメンテナンスを行うことが重要です。

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屋根の種類塗替時期劣化症状
ストレート設置から10〜15年汚れが落ちず、目立ってきたと感じたら塗装時期。
コケの繁殖が見られた場合は、早めの塗装がおすすめ。屋根材の防水性が下がり、雨水が染み込んだ屋根材にコケが繁殖している可能性がある。
セメント瓦設置から15〜20年色褪せが見られてきた場合、表面がザラつき、塗装が剥がれてしまうと、セメントに含まれている成分のカルシウムが流出し、瓦がスカスカになって防水性が失われる。
トタン設置から6〜10年チョーキング現象、色褪せ・サビが見られた場合。
トタンは薄く軽いため施工がしやすい素材だが、一度サビが起きてしまうと、広がるスピードが早いため、小まめなメンテナンスが必要。
ガルバリウム設置から20〜25年表面の塗膜の劣化が見られた場合。
メンテナンスフリーのガルバリウムでも、防水性が失われることがある。金属でできているため、海沿いの地域など、塩害の可能性がある場合は、早めのメンテナンスがおすすめ。
日本瓦60年〜100年塗装の必要なし。20年程度で葺き直しは必要。
瓦の寿命は60〜100年ほどあるが、瓦の下に敷いている防水シートは先に劣化してしまう。そのため、葺き直しは必要になる。また、強風などにより瓦のズレや破損が起きている場合もあるため、定期的な点検が必要。

※チョーキング現象とは:塗膜の成分が経年劣化で分解し粉状になって剥がれてしまう現象

見えない劣化に注意!

見えない劣化に注意!

屋根の劣化は目に見えない部分で進行していることが多く、気づいた時にはすでに大規模な補修が必要になっているケースがあります。雨漏りは必ずしも室内に水が垂れる形で発生するとは限らず、内部で静かに進行していることも多いのです。

主な原因としては「屋根材の破損やズレ」「排水口のゴミ詰まり」「塗膜の劣化による防水性低下」などが挙げられます。こうした見えない劣化に備えるためには、定期的な屋根点検を行うことが最善策です。

適切なタイミングで点検とメンテナンスを実施することで、屋根の寿命を延ばし、大掛かりな修繕工事や高額な費用負担を防ぐことができます。

屋根の防水・雨漏り対策にはどんな方法があるの?

屋根の防水・雨漏り対策には、屋根の劣化状態に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。

劣化が軽度なら塗装の塗り直しで防水性を維持できますが、劣化が進行している場合や一度雨漏りを起こした屋根には、塗装だけでは不十分でカバー工法や葺き替えなどの工事が必要になります。雨漏りが広がる前に早めの対策を行うことが、家を長持ちさせるポイントです。

屋根のカバー工法

カバー工法は、既存の屋根の上に防水シートと新しい軽量金属屋根を設置する工事で、コストを抑えつつ防水性を高められます。

工程が少なく、廃材処分も不要なため経済的で、省エネ効果のある屋根材を使えば光熱費削減にもつながります。特に2004年以前の屋根はアスベストを含む可能性があるため、撤去費用を回避できるカバー工法は有効な方法です。ただし、日本瓦の屋根には施工できない点に注意が必要です。

屋根の葺き替え

屋根全体が大きく劣化しているケースや、雨漏りで基礎部分まで被害が及んでいる場合は「葺き替え」が必要です。既存の屋根を撤去後、野地板を重ね張りし、防水シートの上に新しい屋根材を施工します。

屋根自体を根本的に新しくするため、寿命は新築同様まで回復でき、長期的に安心できる工事です。

屋根の葺き直し

屋根の葺き直し

日本瓦の屋根は瓦自体が長寿命ですが、防水シートや板金は瓦よりも早く劣化します。

その場合は「葺き直し」が有効です。瓦を一時的に撤去し、劣化した防水部分を取り替えてから瓦を戻す方法で、葺き替えよりも低コストで施工できます。瓦を活かせる場合に選ばれる合理的な対策です。

ルーフィングの重要性

防水シートである「ルーフィング」は、屋根の防水性能を左右する最重要部材です。屋根材より先にルーフィングが劣化すると、雨漏りが発生して短期間で再工事が必要になります。

安価なルーフィングを選ぶと寿命が屋根材に追いつかず、結果的に損をするため、屋根材と同等の耐久性を持ったルーフィングを選ぶことが基本です。

屋根板金の点検・補修

屋根の接合部や頂点には板金が使われており、この部分の劣化やサビが雨漏りの原因となることがあります。

特に「棟板金」は釘で固定されているため、家の動きや風の影響で釘が緩みやすく、放置すると台風で飛ばされ二次被害に発展するリスクもあります。そのため、屋根に異常がなくても板金部分は必ず点検が必要で、5〜10年ごとの補修が住宅保全に有効です。

屋根塗装の手順

屋根塗装の手順

屋根塗装は、「現場調査」から「引き渡し」まで約10の工程で進められます。 業者任せにせず、施主自身も全体の流れを理解しておくことで、手抜き工事などのトラブルを防ぎ、安心して施工を任せることができます。

  1. 現場調査

屋根の種類や立地条件、近隣の環境を確認。見積もりに直結する重要な工程で、調査を省略する業者は避けるべきです。

  1. プラン作成・見積もり請求

複数業者に依頼し、内容や金額を比較。プラン内容に納得して選びましょう。

  1. 契約

保証内容の記載があるか要確認。不十分な契約はトラブルの元です。

  1. ご近所挨拶

施工音や車の出入りで迷惑になる可能性があるため、事前挨拶でトラブルを防止。業者が同行してくれる場合もあります。

  1. 現場確認・足場設置

現場の状況を確認して足場設置をします。

  1. 養生作業

屋根以外の外壁等に塗料がかからないよう、養生処理をします。

  1. 塗装

基本は「下塗り・中塗り・上塗り」の三段階。下塗り後の乾燥不足は劣化を早めるため、施工には最低3日以上かかります。

  1. 完了後検査

表面の仕上がり具合、塗り残し、養生の外し忘れ、塗料の飛び散りが無いかをチェックします。

  1. 足場解体

足場を撤去します。近隣に迷惑がかからないよう慎重に行います。

  1. 施主様確認・引き渡し

施主が最終確認を行い、施工完了となります。

屋根塗装の失敗事例

屋根塗装の失敗事例

屋根塗装の失敗で特に多いのが、「縁切りが行われない」「下地調整が甘い」「塗る回数が少ない」といった手抜き工事が原因のトラブルです。 こうした代表的な事例を事前に把握しておくことで、信頼できる業者選びや施工管理に役立ちます。

屋根塗装の重要な工程「縁切り」が行われなかった

縁切りをしないと、屋根材の隙間が塞がれ、雨水の通り道が失われて雨漏りを招きます。塗装後に切れ目を入れる、あるいは事前にジョイント材を設置する方法で対応が可能です。

塗装前の下地調整が甘い

洗浄不足や下地処理不良は、数年で塗膜が劣化し防水性を失います。施工実績のある業者に依頼することが大切です。

塗装を塗る回数が規定より少なかった

基本は三度塗り。規定回数を守らないと耐久性が激減します。メーカー仕様を事前に確認しておくと安心です。

雨漏りの原因が分からないまま塗装してしまった

原因不明のまま塗装を行うと見かけ上は防水されても雨漏りは改善しません。必ず現場調査で原因を突き止めてから施工を依頼する必要があります。

見積もりが安すぎる業者を選んでトラブルになった

異常に安い業者は後で追加費用を請求するケースが多いです。詳細な見積もりがあるかどうかを必ず確認しましょう。万が一不当請求があった場合は消費者ホットライン「188」に電話するか、最寄りの国民生活センターに相談できます。

まとめ

まとめ

屋根は家を雨風から守る最前線にあるため、定期的な点検と適切なメンテナンスは欠かせません。劣化を放置すると雨漏りや大規模修繕につながるため、気になる症状がある場合はまず屋根点検を依頼することが最善の第一歩です。

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