外壁の印象は、住まい全体の雰囲気を大きく左右します。中でもタイル外壁は、高級感ある仕上がりと耐久性で、多くの方に人気です。
しかし「どんな種類があるの?」「費用は高いの?」「後悔しない選び方は?」と疑問を持つ方も多いはず。本記事では外壁タイルの種類と選び方、施工方法までをわかりやすく解説します。
新築やリフォームを検討中の方は、参考にしてください。
外壁タイルの種類と特徴

外壁タイルには多彩な種類があり、目的やデザインに応じて選ぶことが重要です。それぞれの種類の特徴を理解し、最適なタイル選びに役立てましょう。
種類 | 特徴 |
---|---|
セラミックタイル | 耐久性・デザイン性が高い |
モザイクタイル | デザインの自由度が高い |
レンガ調・石材調タイル | 見た目と質感が良い |
光触媒タイル | クリーニング効果がある |
セラミックタイルは耐久性・デザイン性ともに優秀
セラミックタイルは、粘土や鉱物を高温で焼成して作られたタイルです。特徴は、高い耐久性と耐候性です。雨風や紫外線に強く、劣化しにくいため、住宅の外壁材として広く採用されています。
また、表面の加工によって多様なデザイン表現が可能なのも魅力。モダンからクラシックまで幅広いスタイルに対応可能です。防水性や汚れにくさにも優れており、メンテナンスが少ない点も人気の理由の一つです。
種類としては「磁器質」や「陶器質」があり、用途や仕上がりに合わせて選べます。特に磁器質タイルは吸水率が低く、外壁材として非常に適しています。
モザイクタイルはデザインの自由度が抜群
モザイクタイルは、小さなタイルを組み合わせてデザインを構成するスタイルです。色や形を自由に組み合わせることで、オリジナリティの高い外観を実現できます。
アート性の高い外壁を目指す場合や、アクセントとして使用するケースに最適です。素材としては、ガラスや陶器、石材など多様で、それぞれに異なる表情があります。
パターンやカラーの組み合わせが豊富なので、デザイン住宅などにも使用されています。
ただし、細かなタイルのため施工には技術が必要です。均一性を保つためには、職人の腕が求められます。
モザイクタイルは耐久性も高く、メンテナンス性にも優れているので人気の種類です。
レンガ調と石材調タイルはおしゃれで人気
レンガ調や石材調タイルは、本物の天然石のような重厚な質感を再現したものです。外壁に、高級感や落ち着いた雰囲気をもたらします。洋風やナチュラル系のデザインには、温かみのあるレンガ調が人気です。
一方、石材調タイルはクールで高級感ある仕上がりになります。モダンやクラシック建築におすすめ。
両者とも実際のレンガや石材より軽量で扱いやすく、施工の負担を軽減できます。色合いやテクスチャーの種類も豊富で、デザインにこだわりたい方にぴったりです。
光触媒タイルはクリーニング効果で美しさをキープ
光触媒タイルは、太陽光などの光を受けて汚れを分解する特殊なタイルです。表面に施された酸化チタンが光と反応し、有機物汚れを分解することで、雨水とともに汚れが流れ落ちる「セルフクリーニング効果」を発揮します。
セルフクリーニング効果で、長期間美しい外観を保つことができます。長期間メンテナンスが必要ないので、費用負担を減らせます。また、抗菌性や防カビ性もあり、衛生的にも優れています。
他にも、紫外線に強くて色褪せしにくいのも大きなメリット。エコ住宅やメンテナンスの負担を軽くしたい方に人気のタイルです。
初期費用はやや高めですが、長期的に見ると非常にコストパフォーマンスに優れています。
外壁タイルでおすすめのメーカー

外壁タイルを選ぶ際、信頼できるメーカー選びも重要です。品質やデザイン、実績に定評のある主要メーカー6社を紹介します。
セキスイハイム
住宅メーカーで有名なセキスイハイムは、耐久性やデザイン性があるタイル製品を展開しています。特に、プレミアム外壁「タイル外壁レジデンスタイル」は好評で使用するユーザーも多いです。
LIXIL
建材業界の大手であるLIXILは、豊富なデザインと機能性を兼ね備えたタイル製品を多数揃えています。特に、光触媒技術を使用した「エコカラット」シリーズなど、機能性重視の方に人気です。
名古屋モザイク工業
名古屋モザイク工業は、特にモザイクタイルに強みを持つメーカーで、デザイン性に優れた製品が多いです。個性的な外観を求める住宅や店舗向けに、国内外の素材を活用した商品展開が特徴です。
DANTO
DANTOは、創業100年以上の歴史を持つ老舗タイルメーカーです。伝統技術と最新技術を融合させた商品が特徴で、住宅から商業施設まで幅広い施工実績があります。
日東製陶所
日東製陶所では、外壁タイルや床タイルを中心に展開しており、機能性とコストパフォーマンスのバランスが良いと評判です。耐久性や防汚性のある製品が多く、リフォームにも適しています。
ADVAN
ヨーロッパを中心にした魅力的な輸入タイルを扱うのが、ADVANです。
デザイン性と高級感が際立ち、ワンランク上の外観を演出したい人におすすめです。個性的なデザインを求める方に人気です。
外壁タイルの選び方

外壁タイル選びでは、素材やデザインだけでなく、建物の構造や予算に合った選択が必要です。特にサイズや施工方法によって、仕上がりや耐久性が大きく変わる点に注意しましょう。
新築で外壁をタイルにする場合の選び方
新築時の外壁タイル選びでは、初期設計の段階からタイルの種類を想定し、外観デザインとの整合性を図ることが重要です。
タイル外壁は施工精度が求められるため、設計や施工段階からタイルに適した工法や構造を選ぶことが求められます。また、新築の場合は比較的自由にデザインを選べるため、デザイン性や耐久性、メンテナンス性のバランスを意識しましょう。
コスト面ではサイディングより高めですが、メンテナンス費用が抑えられるため、長期的には経済的です。
リフォームで外壁をタイルにする場合の選び方
リフォームで外壁をタイルに変更する場合は、既存の外壁材との相性や下地の状態をしっかりと確認する必要があります。タイルは重量があるため、下地が不十分だと剥がれやひび割れの原因になります。
また、リフォームでは施工スペースや建物形状の制約が多く、湿式か乾式かの工法選びも重要です。デザイン性だけでなく、既存構造との適合性や工事費用を考慮し、専門業者とよく相談することが大切です。
タイルとサイディングを併用する場合の選び方
タイルとサイディングを併用することで、コストを抑えつつデザイン性を高めることができます。例えば、建物の正面やアクセント部分にタイルを使い、側面や裏側はサイディングにする手法が人気です。
注意したいのは、全体的なバランスです。色調や質感を考慮しないと統一感が失われてしまうので、外壁材を選ぶ際は気をつけましょう。
さらに、異なる素材を組み合わせる際は、伸縮率や防水性の違いを踏まえた設計が必要です。
人気の外壁デザインとトレンド素材の選び方
近年は「モダン×ナチュラル」や「インダストリアル」テイストが人気で、タイルもトレンドに合わせた素材や色味が注目されています。
グレージュやチャコール系のセラミックタイル、異素材ミックスのモザイクタイルがトレンドです。また、環境に配慮した光触媒タイルやリサイクル素材を使った製品も増え、エコ志向の方に選ばれています。
家全体のデザインテーマと調和するタイルを選び、素材や色、パターンの組み合わせにこだわることが、トレンドを取り入れた外観づくりのポイントです。
外壁にタイルを使用するメリット

外壁タイルは見た目の美しさだけでなく、耐久性やメンテナンス性にも優れています。ここではサイディングなど他の外壁材と比較しながら、外壁タイルのメリットを紹介します。
外壁タイルはサイディングよりも耐久性が高い
外壁タイルの最大の特徴は、耐久性と耐候性の高さです。セラミックなどの焼成素材でできているため、紫外線や雨風、温度変化にも強く、30年〜50年以上も劣化せずに使用できます。
一方、サイディングは10〜20年程度で再塗装や張り替えが必要になるケースが多く、メンテナンス頻度の差が明確です。タイル外壁は色あせや剥がれも少なく、長期間美しい外観を維持できます。
また、表面が硬いため、衝撃や摩耗にも強いのがタイル外壁の特徴です。特に自然災害の多い日本では、耐久性に優れた外壁材として高く評価されています。
外壁タイルはメンテナンスの手間が圧倒的に少ない
外壁タイルは、他の外壁材と比べてメンテナンスの頻度が非常に少ないのが大きな魅力です。塗装の必要がなく、基本的には表面の汚れを落とす程度で長期間使用できます。
また、汚れにくい素材や光触媒機能付きのタイルを選べば、雨水で自然に汚れが落ちるセルフクリーニング効果も得られます。セルフクリーニング効果で、10〜20年単位でのメンテナンス費用を大きく抑えられるでしょう。
初期費用はサイディングよりも高いものの、長期的にはメンテナンスコストがかからず、トータルで見ると経済的です。
施工不良を防げば10年以上メンテナンスが不要になる
外壁タイルは耐久性が高い反面、施工精度が重要になります。施工不良があると、タイルの剥がれや目地のひび割れなどのトラブルが発生する可能性があります。
しかし、適切な下地処理と丁寧な施工が行われていれば、10年〜20年はメンテナンスフリーで使用可能です。
特に、湿式工法では下地モルタルの乾燥管理が重要で、乾式工法では金具固定の精度が求められます。
信頼できる施工業者を選んで定期的に目視点検を行うことで、トラブルを防ぎ、外壁の美しさと耐久性を保てます。
外壁にタイルを使用するデメリット

外壁タイルにはデメリットもあります。メリットとデメリット、両方を把握し外壁に使用するか検討しましょう。
初期費用が高額
外壁タイルの大きなデメリットは、施工費用の高さです。サイディング材に比べて、材料費や施工費ともに高く、一般的な住宅で100万円以上の差が出ることもあります。
特に湿式工法の場合は、下地処理からモルタル塗布、タイル貼り、目地仕上げなどの工程が多く、職人の手間もかかるため費用が上がります。
ただし、メンテナンスコストが大幅に削減できるため、長期的には十分に元が取れる場合が多いです。初期投資を回収できるかどうかは、将来のメンテナンス計画や住み続ける年数を考慮する必要があります。
目地のメンテナンスが必要
タイル本体は非常に耐久性が高いですが、目地やシーリング材は経年劣化します。特に目地部分からの雨水浸入は、内部の下地を劣化させる原因になります。
目地が劣化すると、ひび割れや剥がれが起きやすくなり防水性の低下を招きます。劣化を防ぐため、5〜10年に一度は点検を行い必要に応じて打ち直しをしましょう。
タイル自体に光触媒機能がある場合でも、目地の劣化は避けられないため、定期的なメンテナンス体制を整えておくことが重要です。
外壁タイルの施工方法

外壁タイルには「湿式工法」と「乾式工法」の2種類があります。建物の構造や気候条件、施工費用を考慮し最適な工法を選びましょう。
湿式工法
湿式工法は、下地にモルタルを塗ってその上にタイルを貼る伝統的な工法です。密着性が高く、重厚な仕上がりになります。しかし、施工に技術と時間を要するため、コストは高くなります。
綺麗に仕上げるためには、モルタルの乾燥時間や施工環境に注意が必要です。寒冷地や湿度が高い地域などでは、不向きな場合もあるため、施行前に確認しましょう。
乾式工法
乾式工法は、モルタルを使わずに専用の金具や接着剤でタイルを固定する方法です。工期が短く、天候に左右されにくいため、近年では乾式工法が主流になりつつあります。
また、湿式に比べて下地にかかる負担が少なく、耐震性にも優れているのが特徴です。コスト面でも比較的抑えやすく、リフォームにも適しています。
外壁タイルについてよくあるQ&A

外壁タイルについてのよくある疑問をQ&A形式で解説します。初めての外壁選びやリフォームを検討している方は、ポイントを整理し施工しましょう。
外壁には結局どの種類が一番いい?
住宅の用途やデザイン、予算により最適なタイルは異なります。
耐久性やメンテナンス性を重視したい:セラミックタイル
デザイン性や個性を出したい:モザイクタイル
ナチュラルで重厚感を演出したい:レンガ調・石材調タイル
メンテナンスの手間を最小限にしたいなら、光触媒タイルが最適です。外壁タイルを選ぶ際は、全体のトーンや周囲の景観との調和も考慮しましょう。
タイル外壁の遮音性はどこまで高い?
タイル外壁は一定の遮音効果がありますが、単独での防音性は限定的です。
セラミックタイルや石材調タイルは、硬く重いのが特徴です。薄いサイディング材よりも、外部の音を抑える効果があります。ただし防音性能を高めるには、タイルだけでなく下地材や断熱材選びも重要です。
特に、断熱材一体型のタイル外壁や防音シートとの併用で遮音対策が可能です。
タイル張りの外壁塗装は必要なの?
基本的には塗装の必要はありません。しかし、目地や部分補修には塗装が活用される場合があります。タイル本体は耐候性や耐久性に優れているため、塗装による保護は不要です。
ただし、目地材の劣化が見られる場合やリフォームで部分的に補修する際には、防水性を高めるために塗装を行うケースもあります。
また、経年変化による色あせが気になる場合に塗装をする場合もあります。塗装をする際は、専門的な施工が必要です。
まとめ

外壁タイルは高い耐久性やデザイン性性から、多くの住宅などで採用されています。
セラミックや光触媒など多彩な種類があり、目的や好みに応じた選択が可能です。初期費用は高めですが長期的にはコストパフォーマンスが高く、美観も長く保たれます。
また、施工方法やメーカーの選定も重要なポイントです。新築とリフォームどちらも適切に選べば、理想の外観と快適な住まいを実現できます。ポイントを抑えて、タイルを選び、自分好みの外壁にしましょう。
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