住宅の外観を美しく保ち、建物を守るために欠かせない外壁塗装。塗料選びは耐久性やコストに大きく影響するため、慎重に検討したいポイントです。特に「シリコン塗料」は、バランスの良さから多くの住宅で採用されています。
この記事では、外壁塗装におけるシリコン塗料の特徴や費用相場、選び方まで徹底解説します。これから外壁塗装を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

監修者:鹿野 博之
保有資格:中小企業診断士・宅建合格者・住環境測定士(補)など
経営改善、事業承継支援、企業研修、補助金申請支援などを得意として活動中。
外壁塗装で使われる「シリコン塗料」とは?基本をわかりやすく解説

外壁塗装で使用される塗料には、アクリルやウレタン、シリコンなど様々な種類があります。その中でもシリコン塗料は、コストパフォーマンスの高さから「標準塗料」として広く普及しています。
人気の塗料であるシリコンについて、基本を詳しく解説します。
シリコン塗料の主な特徴と成分の仕組み
シリコン塗料の主成分は「シリコン樹脂」で、無機物質と有機物質の中間的な性質を持つ合成樹脂です。紫外線や熱に強く、耐候性に優れた特性を持っています。
シリコン塗料の主な特徴は以下の通りです。
- 耐候性が高く色あせしにくい
- 撥水性に優れ汚れが付きにくい
- 適度な通気性があり内部の湿気を逃がす
- 中程度の価格帯でコストパフォーマンスが良い
- 一般的な耐用年数は7〜10年程度
シリコン塗料は水性と溶剤性の2種類があり、それぞれ特性が異なります。水性タイプは環境に優しく臭いが少ない一方、溶剤タイプは密着性や耐久性に優れています。
ウレタンやフッ素との違い
シリコン塗料は、ウレタンとフッ素の中間に位置する塗料です。それぞれの違いを比較してみましょう。
【ウレタン塗料との比較】
項目 | ウレタン塗料 | シリコン塗料 |
---|---|---|
耐用年数 | 5〜7年 | 7〜10年 |
価格 | 安価 | 中程度 |
耐候性 | 低い | 高い |
汚れ耐性 | 低い | 高い |
【フッ素塗料との比較】
項目 | フッ素塗料 | シリコン塗料 |
---|---|---|
耐用年数 | 15〜20年 | 7〜10年 |
価格 | 高価 | 中程度 |
耐候性 | より高い | 高い |
汚れ耐性 | より高い | 高い |
シリコン塗料は、ウレタン塗料より耐久性が高いです。フッ素塗料より価格が抑えられるため、シリコン塗料はコストと性能のバランスが良い塗料です。
シリコン塗料が選ばれる理由とは
シリコン塗料が多くの住宅で選ばれる理由は、以下の点にあります。
- コストパフォーマンスの高さ
- 日本の環境に適している
- カラーバリエーションが豊富
- 施工性の良さ
- 実績と信頼性がある
シリコン塗料は、コストパフォーマンスが良く、低価格でウレタン塗料よりも高い耐久性を備えている点が魅力です。バランスの良さが、幅広い層に支持される理由の一つです。
また、シリコン塗料は日本の環境に適している点も大きなメリットです。日本の気候や紫外線、雨風といった自然環境下でも、十分な耐候性と耐久性を発揮します。
カラーバリエーションが豊富なのも、シリコン塗料の特徴です。多様な色や質感が用意されているため、住宅所有者は理想の外観デザインを実現しやすく、住宅の個性を引き立てられます。
施工性もよく多くの住宅などで使われているため、信頼できる塗料です。塗料選びに迷った際は、シリコン塗料を選ぶと良いでしょう。
外壁をシリコン塗料で塗装するメリット

シリコン塗料を外壁塗装に使用することで得られるメリットを、詳しく見ていきましょう。
耐久性が高く長持ちする
シリコン塗料の大きなメリットの一つは、耐久性の高さです。一般的なシリコン塗料の耐用年数は7〜10年程度。ウレタン塗料の5〜7年と比較すると、比較的長持ちします。
耐久性が高い理由は、シリコン樹脂の性質にあります。シリコン樹脂は紫外線に強く、日光に長時間さらされても塗膜の劣化が緩やかです。また、熱による膨張や収縮にも強いため、温度変化の激しい環境でも塗膜が保持されます。
耐久性の高さは、塗り替えの頻度を減らし、長期的なメンテナンスコストの削減に貢献します。
汚れにくくメンテナンス費用がかからない
シリコン塗料には、撥水性があります。水をはじき表面の汚れも一緒に洗い流す「セルフクリーニング効果」が期待できます。
また、シリコン塗料の表面は比較的滑らかで、埃や排気ガスなどの汚れが付着しにくい特性があります。外観を美しく保ちやすく、定期的な洗浄などのメンテナンス頻度を減らせます。
これらの特性により、塗装後のメンテナンス費用を抑えられます。特に、交通量の多い道路沿いや工場近くなどの立地では、汚れにくさが大きなメリットとなります。
断熱と遮熱性が高く結露を防止できる
シリコン塗料には、断熱や遮熱効果を持つタイプも多く開発されています。
夏場の室内温度上昇を抑えることで、冷房効率が向上し、電気代の節約につながります。また、外壁の温度変化が緩やかになり熱による膨張や収縮も抑えられ、クラックの発生リスクも低減します。
さらに、シリコン塗料は適度な通気性を持っているため、壁内部の湿気を外に逃がす働きがあります。通気性がいいので、室内の結露を防止しカビやダニの発生を抑えられるでしょう。住宅の健康維持という観点からも、シリコン塗料は優れた選択肢です。
シリコン塗料を使った外壁塗装のデメリット

シリコン塗料には多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットも存在します。正しい判断をするために、欠点も理解しておきましょう。
扱いが難しく塗装の手間がかかる
シリコン塗料は、施工時に専門的な知識と技術が必要です。特に溶剤系シリコン塗料は、粘度が高く塗り広げるのに技術を要します。
また、適切な塗膜厚を確保するためには、下地処理から仕上げまで丁寧な作業が求められます。下地の状態が悪いと、シリコン塗料の性能を十分に発揮できず、早期剥離などのトラブルにつながります。
施工が難しいので、経験豊富な専門業者に依頼しましょう。
他の塗料よりひび割れしやすい
シリコン塗料は、フッ素塗料と比較すると柔軟性がやや劣ります。建物の微細な動きや振動に対して、塗膜にひび割れ(クラック)が生じやすいです。
特に、木造住宅のように季節で膨張や収縮する建物は、細かいひび割れが発生しやすくシリコン塗料は不向きです。ひび割れは、見た目の問題だけでなく、雨水が侵入して建物の劣化を早める原因にもなります。
ただし、最近の高品質なシリコン塗料では、弾性機能を強化したタイプも開発されています。
重ね塗りができない
シリコン塗料は、既存の塗膜と密着しづらい特性があります。密着性が低いため、重ね塗りができません。
次回の塗り替え時には、既存の塗膜を完全に除去するか、適切な下地処理を行う必要があります。下地処理の手間がかかるため、費用の負担も増えるでしょう。
シリコン塗料を使用する際は、塗布した後のメンテナンスをどうするかも検討しておくと安心です。
外壁塗装に使うシリコン塗料の耐用年数はどれくらい?

シリコン塗料の耐用年数を解説します。外壁塗装を検討している方は、実際の寿命と、メンテナンスサイクルを確認しましょう。
一般的な耐用年数と経年劣化のサイン
シリコン塗料の一般的な耐用年数は、7〜10年程度です。耐用年数は、塗膜が本来の機能を維持できる期間の目安です。
経年劣化のサインは、以下の通りです。
- 色あせ(退色)
- 光沢の低下
- チョーキング現象
- 微細なひび割れ
- 撥水性の低下
色あせ(退色)は、塗膜が長期間紫外線に曝されることで顔料が分解され、色が徐々に薄くなっていく現象です。特に、濃い色や鮮やかな色は退色が目立ちやすいです。
光沢の低下は、新築時に見られた塗膜のツヤやかな見た目が失われ、次第にマットな質感へと変化していく現象です。これは、塗膜表面の樹脂成分が劣化することによって起こります。
チョーキング現象や微細なひび割れは、塗膜の表面が粉状になったり、目に見えない細かいひび割れができたりする劣化症状です。
劣化が進むと、撥水性も損なわれるため定期的な点検が必要です。素人では気づきにくい劣化もあるので、業者に依頼して点検しましょう。
10年保つ?実際のメンテナンスサイクル
シリコン塗料の耐用年数は7〜10年と言われていますが、実際のメンテナンスサイクルは様々な要因によって変動します。
実際の現場では、以下のメンテナンスサイクルが一般的です。
- 5〜6年目:点検を行い、部分的な補修が必要かどうかを確認
- 7〜8年目:撥水性の低下や色あせが目立ち始める時期。再塗装の検討を始める
- 9〜10年目:多くの場合、この時期に再塗装を実施
ただし、高品質なシリコン塗料を使用し施工が適切に行われた場合は、10年以上持つケースもあります。逆に、安価な塗料や不適切な施工、過酷な環境条件では、5年程度で再塗装が必要になります。
外観上はまだ問題なく見えても、撥水性が失われて雨水が浸透している場合があります。定期的に、専門家に点検をしてもらい劣化を防ぎましょう。
住宅の立地条件によって異なるシリコン塗料の耐久性

シリコン塗料の耐久性は、住宅の立地条件によって大きく左右されます。同じ塗料でも、環境によって寿命が変わることを理解しておきましょう。
海岸近くの住宅
潮風に含まれる塩分は、塗膜を劣化させる要因となります。海岸から500m以内の住宅では、内陸部と比べて2〜3年ほど耐用年数が短くなる傾向があります。
工業地帯や交通量の多い道路沿い
排気ガスや工場からの排出物に含まれる酸性物質は、塗膜を劣化させます。こうした環境では、通常より1〜2年程度耐用年数が短くなる可能性があります。
日当たりの良い南面
南面は紫外線の影響を強く受けるため、北面と比べて劣化が早く進みます。同じ建物でも面によって塗膜の状態が異なるので、比較して劣化していないか確認しましょう。
多雨地域と乾燥地域
雨が多い地域では、塗膜が水分にさらされる時間が長くなるため、撥水性の低下が早まります。一方、乾燥地域では、紫外線による劣化が主な要因となります。
条件を考慮して、立地に合わせた塗料選びや、部分的に異なる塗料を使い分けるなどの対策が必要です。特に厳しい環境条件下では、シリコン塗料よりも耐久性の高いフッ素塗料を検討しましょう。
シリコン塗料の費用相場と見積もりのポイント

外壁塗装を検討する際、費用は重要な判断材料です。シリコン塗料を使用した場合の費用相場と、見積もりを取る際のポイントを解説します。
シリコン塗料を使った外壁塗装の坪単価と総費用の目安
シリコン塗料を使用した外壁塗装の費用相場は、一般的に以下の通りです。
【坪単価】
- 一般的なシリコン塗料:6,000円〜8,000円/坪
- 高級シリコン塗料:8,000円〜10,000円/坪
【総費用の目安(30坪の住宅の場合)】
塗装範囲 | 総費用の目安(30坪の住宅の場合) |
外壁のみ | 60万円〜90万円 |
外壁 + 屋根 | 80万円〜120万円 |
ただし、これらの費用はさまざまな要因によって変動します。
例えば、建物の形状や複雑さは、塗装面積だけでなく作業の難易度を上げ、費用にも影響します。凹凸の多い外壁や、複雑な形状の住宅の場合、細部の塗装に手間がかかり費用が高くなります。
予算を組む際は、下地処理や付帯部の有無も考慮しましょう。大規模な下地の補修作業がある場合は、費用がかさむため確認が必要です。付帯部も塗装をする場合は、追加費用がかかります。
外壁塗装を依頼する際は、塗装する範囲を決めて依頼しましょう。
足場の設置条件も考慮すべき点です。敷地の広さや形状によっては、通常の足場が設置できず、特殊な足場が必要になります。このような場合、足場費用が高くなることがあります。
複数の業者から見積もりを取る際には、内訳を詳細に確認することが重要です。不明な点があれば、遠慮せずに業者に質問しましょう。
ウレタンやラジカルなどとの価格差
外壁塗料には様々な種類があり、価格帯が異なります。シリコン塗料と他の塗料との価格差を理解しておくことで、予算に合わせた選択ができます。
塗料の種類 | 坪単価(目安) |
アクリル塗料 | 4,000円 〜 6,000円/坪 |
ウレタン塗料 | 5,000円 〜 7,000円/坪 |
シリコン塗料 | 6,000円 〜 8,000円/坪 |
ラジカル制御型塗料 | 7,000円 〜 9,000円/坪 |
フッ素塗料 | 9,000円 〜 12,000円/坪 |
無機塗料 | 10,000円 〜 15,000円/坪 |
価格差は、主に塗料自体の原材料コストと耐久性の違いによるものです。一般的に、耐久性が高い塗料ほど初期費用は高くなります。しかし、塗り替え頻度が少なくなるため、長期的に見るとコストパフォーマンスが良いです。
例えば、シリコン塗料はウレタン塗料と比べて1坪あたり1,000円程度高くなります。耐用年数が2〜3年長いため、15年以上の長期で考えると総コストは同等かむしろ安くなる可能性があります。
安すぎる見積もりに潜むリスク
外壁塗装の見積もりを比較する際、極端に安い価格を提示する業者には注意が必要です。安すぎる見積もりには、以下のようなリスクが潜んでいることがあります。
- 塗料の品質低下
- 塗装回数の削減
- 下地処理の省略
- 保証内容の不備
外壁塗装の見積もりを比較検討する際、極端に安い価格を提示してくる業者には特に注意が必要です。
塗料の品質を落としていたり、必要な塗装の回数を減らしていたりするため、費用が安い場合は必ず確認しましょう。見積もりを取る際は、下地処理の有無や保証内容もチェックしてください。
シリコン塗料はこんな人におすすめ!

様々な外壁塗料の中から、シリコン塗料が特に適している方の特徴を紹介します。自分のニーズに合った塗料選びの参考にしてください。
コストと耐久性のバランスを重視する人におすすめ
シリコン塗料は、初期コストと耐久性のバランスが取れた塗料です。予算を抑えて塗装できるため、コスト重視の方におすすめ。耐久性もあり、10年〜15年ほど綺麗さを保てます。
一般住宅でも推奨されているので、塗料選びに迷っている方はシリコンを選ぶと良いでしょう。
色あせに強くメンテナンスを減らしたい人におすすめ
シリコン塗料は、色あせに強く、メンテナンス頻度を抑えたい方に適しています。長期間綺麗な外観を保てるので、メンテナンス費用も抑えられ経済的です。交通量の多い道路沿いや工場近くに住んでいる方は、シリコン塗料を選ぶと良いでしょう。
信頼性できる塗料を探している方におすすめ
シリコン塗料は、人気の塗料のため信頼性が高いです。多くの方から支持されているのは、以下の理由があります。
- 豊富な施工実績とデータの蓄積
- 多くの塗装業者の高い習熟度
- 将来の塗り替え時の選択肢の広さ
- 住宅資産価値維持との好バランス
外壁塗装で塗料に迷ったときは、シリコン塗料がおすすめです。優れた性能だけでなく、多くの業者が取り扱っているため選択がしやすいです。
塗り替えの際にも、他の塗料と相性がいいのでグレードが違う塗料でも塗装が可能です。外観が綺麗になるので、資産価値も上がり売却する際も有利になるでしょう。多くの住宅で使用されているので、信用できる塗料といえます。
シリコン塗料を扱う主要メーカーとおすすめ塗料一覧

シリコン塗料は多くのメーカーから様々な製品が販売されています。代表的なメーカーとその特徴的な製品を紹介します。
日本ペイント
日本ペイントは国内最大手の塗料メーカーで、シリコン塗料「パーフェクトトップ」シリーズは高い人気を誇ります。
【特徴】
- 優れた耐候性と防藻・防カビ性能
- 豊富なカラーバリエーション(標準色だけで120色以上)
- 低汚染性能を持ち、美観を長期間維持
- 水性タイプで環境にやさしい
【主な製品】
- パーフェクトトップ:標準的なシリコン塗料
- パーフェクトトップローズ:高い遮熱性能を持つタイプ
- パーフェクトトップ遮熱:太陽熱を反射し、室内温度上昇を抑制
日本ペイントの製品は、安定した品質と豊富な施工実績があり、多くの塗装業者から信頼されています。特に「パーフェクトトップ」は、バランスの取れた性能と手頃な価格で、一般住宅の外壁塗装に広く使用されています。
関西ペイント
関西ペイントは日本を代表する塗料メーカーの一つで、シリコン塗料においても高品質な製品を提供しています。
【特徴】
- 高い耐候性と耐汚染性
- 優れた密着性で長期間の保護性能を発揮
- 環境対応型の製品ラインナップ
- 独自の技術による高い撥水性
【主な製品】
- RSシルバーグロスSi:高級感のある光沢と優れた耐候性を持つシリコン塗料
- アレスシリコンフレッシュ:防藻・防カビ性能に優れた水性シリコン塗料
- アレスシリコンクールテクト:高い遮熱性能を持つ省エネタイプ
関西ペイントの製品は、特に耐久性と仕上がりの美しさに定評があります。RSシルバーグロスSiは、光沢感のある仕上がりを長期間維持できる点が特徴。外観の美しさを重視する住宅所有者に人気があります。
エスケー化研・アステックペイント等の特徴と比較
日本ペイントや関西ペイント以外にも、優れたシリコン塗料を提供するメーカーがあります。それぞれの特徴を比較してみましょう。
エスケー化研 | アステックペイント | 日本特殊塗料 | |
特徴 | 高い防汚性能と豊富なデザイン性 | 環境配慮型の製品開発に注力 | 防音性能を持つ特殊塗料の開発に強み |
主な製品 | 「クリーンマイルドシリコン」「プレミアムシリコン」 | 「超低汚染リファイン」「無機ハイブリッドコート」 | 「ハイパーユメロック」「スーパーオーデフレッシュSi」 |
強み | デザイン性の高い塗料や、特殊な質感を実現する製品が豊富 | 断熱・遮熱性能に優れた製品が多く、省エネ効果が高い | 防音・防振性能と防水性能を兼ね備えた製品がある |
上記は、シリコン塗料などを扱う代表的なメーカーと特徴をまとめました。エスケー化研は、豊富なデザイン性、アステックペイントは省エネにつながる機能性が魅力です。
日本特殊塗料は、防音といった付加価値に強みを持っています。メーカーごとの特色を知ることで、希望に合った塗料を選べます。
各メーカーの製品を比較する際のポイント
シリコン塗料と一口に言っても、様々なメーカーから多様な製品が販売されています。どの製品を選ぶかによって、費用や満足度が大きく変わることもあります。
後悔しない塗料選びのために、下記のようなポイントに着目して、各メーカーの製品を比較検討することが重要です。
- 価格帯
- 保証内容
- 施工実績・評判
- 特殊機能(付加価値)
価格帯
価格帯については、同じシリコン系塗料でも、メーカーや製品のグレードによって異なります。一般的に、高機能な製品ほど高価になる傾向があります。
複数の製品の見積もりを取り、予算内で最もニーズに合うものを選びましょう。
保証内容
保証内容は、万が一の不具合に備える上で重要です。メーカーが提供する保証期間の長さはもちろん、適用範囲や免責事項を含めて詳細を確認してください。
施工実績・評判
施工実績や評判も確認しましょう。どんなに良い塗料でも、施工品質が伴わなければ意味がありません。依頼を検討している業者が、使用したい塗料の施工実績が豊富か、扱い慣れているかも確認します。
また、地域での評判や口コミも、製品選択の参考情報となります。
特殊機能(追加価値)
特殊機能(付加価値)にも注目しましょう。耐久性や美観といった基本性能に加えて、各メーカーは様々な付加価値を持つ製品があります。
例えば、夏の室温上昇を抑える遮熱や断熱機能、汚れが付きにくいセルフクリーニング機能などがあります。住まいの環境や悩みに合わせて、必要な機能を持つ製品を選びましょう。
塗料選びの際は、それぞれの製品特性と自宅の環境条件を照らし合わせて検討してください。また、施工業者がどのメーカーの塗料に精通しているかも重要です。
シリコン塗料で後悔しないために|業者選びと契約時の注意点

シリコン塗料の性能を最大限に引き出すためには、適切な業者選びと契約内容の確認が不可欠です。後悔しない外壁塗装のためのポイントを解説します。
施工実績と塗料知識のある業者を選ぶ重要性
外壁塗装の仕上がりと耐久性は、使用する塗料の品質だけでなく、施工技術にも大きく左右されます。信頼できる業者を選ぶためのポイントは以下の通りです。
- シリコン塗料の豊富な施工実績
- 塗料に関する専門知識と説明力
- 「塗装技能士」など資格者の在籍
- 充実したアフターフォロー体制
- 地域での評判と実績(地域密着型)
せっかく性能の良いシリコン塗料を選んでも、施工する業者の技術や知識が伴わなければ効果は半減してしまいます。早期劣化やムラなどトラブルを防ぐためにも、業者選びは慎重に行いましょう。
見積もりを取る際に、シリコン塗料を扱ったことがあるか、専門知識はあるのかをチェックします。塗装技能士など資格を持っている職人が在籍していると、より安心でしょう。
口コミや評判の情報を収集し、最適な業者を選んでください。
必ず確認したい「塗料のグレード」と「保証年数」
シリコン塗料と一口に言っても、様々なグレードがあります。また、保証内容も業者によって大きく異なります。
契約前に必ず確認すべきポイントを紹介します。
塗料のグレードと製品名
同じシリコン塗料でも、グレードによって品質に差があります。見積書に具体的な製品名(メーカー名と商品名)が明記されているか確認しましょう。
JIS規格への適合
JIS規格に適合した塗料は、一定の品質基準を満たしています。特にJIS K 5670(建築用シリコン系外壁塗料)に適しているか確認すると安心です。
保証年数と内容
シリコン塗料の一般的な保証年数は5〜7年程度ですが、業者によって異なります。また、保証の対象となる劣化症状と対象外となる事項を明確に確認しましょう。
保証書の発行
口頭での約束だけでなく、保証内容を明記した保証書が発行されるか確認しましょう。保証書には、保証期間や保証内容、免責事項などが明記されていなければいけません。
メーカー保証と施工保証の違い
メーカー保証は塗料自体の品質を保証するもので、施工保証は業者の施工技術を保証するものです。両方の保証が付くのが理想的です。
これらの点を事前に確認することで、期待通りの品質と耐久性を得られる可能性が高まります。不明点は必ず質問し、納得した上で契約することが重要です。
契約前に見ておくべきチェックリスト
外壁塗装の契約前に、以下のチェックリストを活用して、後悔のない選択をしましょう。
【見積書の確認ポイント】
□ 使用する塗料の具体的な製品名(メーカー名・商品名)が明記されている
□ 塗装する面積が正確に記載されている
□ 下地処理の内容と方法が具体的に記載されている
□ 塗装工程と塗り回数が明記されている
□ 足場の設置費用が含まれている
□ 諸経費の内訳が明確になっている
□ 支払い条件(前払い・中間払い・完了払いの割合)が明記されている
【契約書の確認ポイント】
□ 工事期間(開始日と完了予定日)が明記されている
□ 保証内容(期間・対象・免責事項)が明確になっている
□ キャンセル条件と違約金の規定が明記されている
□ 追加工事が発生した場合の対応方法が記載されている
□ 天候不良時の対応が明記されている
□ 工事完了の確認方法が明記されている
【業者の信頼性チェック】
□ 会社の所在地や連絡先が明確で、実際に存在することを確認した
□ 建設業許可番号を持っている
□ 過去の施工事例や実績を確認した
□ 第三者の評価(口コミや評判)を調べた
□ 複数の業者から見積もりを取得し、比較検討した
これらのチェックポイントを一つひとつ確認することで、信頼できる業者と適切な契約ができます。不明点や疑問点は、契約前に必ず解消しておくことが重要です。
よくある疑問を解消!シリコン塗料に関するQ&A

シリコン塗料について、多くの方が抱く疑問に答えます。塗料選びの参考にしてください。
Q1. シリコン塗料には種類があるの?
はい、シリコン塗料にはいくつかの種類があります。
種類 | 特徴 |
一般シリコン塗料 | 標準的なシリコン樹脂を使用した塗料 |
高耐候性シリコン塗料 | 特殊な添加剤を使用し、標準タイプよりも耐候性を高めた塗料 |
遮熱シリコン塗料 | 特殊な顔料を含み、太陽光(近赤外線)を反射して表面温度の上昇を抑える塗料 |
低汚染型シリコン塗料 | 塗膜表面の親水性を高めるなどして、汚れが付着しにくく、雨水で汚れが洗い流されやすい特性を強化した塗料 |
弾性シリコン塗料 | 塗膜に柔軟性(伸びる性質)を持たせ、下地の動きや微細なひび割れに追従しやすいように設計された塗料 |
また、シリコン樹脂の含有量によっても性能が変わります。シリコン樹脂の含有量が多いほど耐候性が高くなりますが、その分価格も上がります。一般的に「シリコン塗料」と呼ばれるものは、シリコン樹脂の含有量が5〜10%程度のものを指します。
住宅の立地条件や予算に合わせて、適切なタイプを選ぶことが重要です。
Q2. 水性と溶剤の違いは?
シリコン塗料は、水性タイプと溶剤タイプの2種類があり、それぞれ特徴が異なります。
項目 | 水性塗料 | 溶剤シリコン塗料 |
特徴 | 水で希釈するタイプの塗料 | 有機溶剤で希釈するタイプの塗料 |
メリット | ・臭いが少なく、健康や環境への影響が小さい ・火災の危険性が低い・塗装道具の洗浄が水でできる | ・乾燥が早く、作業効率が良い・低温時でも施工可能・密着性に優れ、既存の塗膜との相性が良い |
デメリット | ・乾燥に時間がかかる・低温や高湿度の環境では硬化不良を起こしやすい・溶剤(油性)タイプと比べて密着性がやや劣る場合がある | ・強い臭いがあり、換気が必要・引火性があるため、火気に注意が必要 ・環境負荷が比較的大きい |
選択のポイントは、住環境や季節、既存の塗膜の状態などによって異なります。小さな子どもやペットがいる家庭では水性タイプがおすすめ。冬季の施工や既存塗膜の状態が悪い場合は、溶剤タイプが適してます。
Q3. 雨や湿気に強いって本当?
はい、シリコン塗料は雨や湿気に対して強い耐性を持っています。
シリコン樹脂は水をはじく性質があり、雨水が外壁に長時間とどまることを防ぎます。シリコン樹脂の性質により、以下の効果が期待できます。
雨染みの防止:雨水が外壁を伝って流れる際に発生する「雨染み」を軽減
凍害の防止:冬季に外壁に浸み込んだ水分が凍結・膨張することによる損傷(凍害)を防止
内部への水分侵入防止:外壁から建物内部への水分侵入を抑制し、木材の腐食や内部結露を防止
ただし、シリコン塗料は完全な防水材ではありません。長期間にわたる湿潤環境や、外壁のひび割れなどがある場合は、水が侵入する可能性があります。また、経年劣化により撥水性は徐々に低下していきます。
定期的なメンテナンスと点検を行うことで、シリコン塗料の撥水性能を長く維持できます。
Q4. シリコン塗料でもカビやコケは生えるの?
シリコン塗料は防カビや防藻性を持っていますが、完全にカビやコケの発生を防ぐわけではありません。
一般的に防カビや防藻剤が配合されており、微生物の繁殖を抑制する効果があります。また、撥水性により外壁表面の乾燥が早くなるため、カビやコケが発生しにくいです。
しかし、以下のような条件では、シリコン塗料を使用していてもカビやコケが発生する可能性があります。
- 日当たりや風通しが悪い北側の外壁
- 樹木に囲まれた湿度の高い環境
- 塗料の経年劣化により防カビ・防藻効果が低下した場合
- 外壁の凹凸や目地部分に水分が溜まりやすい場合
カビやコケの発生を最小限に抑えるためには、定期的な洗浄や排水設備などを整備し清潔に貯めてるようにしましょう。
Q5. DIYで塗るのは難しい?プロに依頼すべき?
シリコン塗料のDIY施工は可能です。
小規模な塗り替えや、平屋の一部など比較的安全に作業できる範囲であれば、DIYだと費用を抑えられおすすめ。しかし、住宅全体の外壁塗装はプロに依頼した方が、仕上がりが綺麗です。
シリコン塗料で外壁を綺麗に保とう

シリコン塗料は、コストと性能のバランスが良いため、多くの住宅所有者から支持されています。一方で、フッ素塗料と比べると耐用年数が短い点や、施工技術によって仕上がりに差が出る点などデメリットもあります。
外壁塗装は住宅の美観を保つだけでなく、建物を保護する重要な役割を担っています。適切なシリコン塗料を選び、外壁を長く綺麗に保ちましょう。
シリコン塗料を使用した外壁塗装を検討されている方は、ぜひペイプロをご利用ください。ペイプロは、外壁塗装の専門業者を比較・紹介してくれる無料のマッチングサービスです。
厳選された優良な外壁塗装業者を紹介しているため、シリコン塗料に対応している業者も揃っています。ご相談は無料で行っておりますので、お気軽にお問い合わせください!