外壁塗装の前に行う「高圧洗浄」。しかし、「必ず必要なのか」「費用やリスクはどのくらいあるのか」と悩む方も多いでしょう。
結論として、高圧洗浄は塗装の仕上がりや耐久性を大きく左右する重要な工程です。正しい知識を持って業者を選ぶことで、ムダな費用やトラブルを防ぎ、長持ちする外壁を実現できます。
この記事では、高圧洗浄の必要性から費用相場、作業中の注意点までわかりやすく解説します。「塗装前の高圧洗浄って本当に必要?」と悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
- 外壁塗装で高圧洗浄が必要な理由としない場合の影響
- 高圧洗浄の費用相場と作業の流れ
- よくあるトラブル事例と対策方法
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監修者:藤 孝憲
保有資格:宅地建物取引士・SEO検定1級・CFPなど
資格を活かし、中立的な立場で記事の執筆・監修を行っている。常に生活者目線で専門用語もわかりやすく解説し記事を執筆している。
外壁塗装の高圧洗浄は必要?しないとどうなるのか

外壁塗装では、高圧洗浄を必ず行うべきです。これを省くと、塗料が密着せず、数年で塗装がはがれるリスクが高まります。
外壁にはホコリ、カビ、コケ、排気ガスなどの汚れが蓄積しています。これらの汚れを残したまま塗装すると、塗料が外壁にうまく密着せず、塗膜が早くはがれたりムラができたりします。その結果、見た目が悪くなるうえ、塗装の耐久性も低下します。
実際に、高圧洗浄を行わずに塗装したケースでは、わずか数年で塗膜のはがれが起き、再塗装が必要になった例もあります。丁寧に高圧洗浄を行えば、塗装の仕上がりや耐久性は大きく向上します。
高圧洗浄は「下地処理」の一種であり、外壁を塗装しやすい状態に整える工程です。料理でいえば、汚れたままのフライパンを使わず、きれいにしてから調理するのと同じようなものです。仕上がりと耐久性を左右する重要なステップのため、省略すべきではありません。
ただし、外壁の素材や劣化具合によっては、高圧洗浄よりも「バイオ洗浄」など別の方法が適している場合もあります。そのため、施工前には業者へ確認・相談するのが安心です。
外壁塗装を行う際は、基本的に高圧洗浄もセットで実施しましょう。見た目と耐久性の双方を保つために欠かせない工程です。
外壁塗装の高圧洗浄にかかる費用と時間

高圧洗浄の費用はおおよそ1㎡あたり100〜300円で、150㎡の住宅なら15,000〜45,000円ほどが相場です。作業時間は2〜8時間で、状況によっては丸1日かかることもあります。
| 高圧洗浄の費用目安 | 1㎡あたり100〜300円(150㎡の住宅の場合15,000〜45,000円) |
|---|---|
| 水道代の目安 | 約1,000〜2,000円前後 |
| 作業時間 | 通常2〜8時間(広さや汚れ具合により変動) |
費用は外壁の面積や汚れの程度、家の形状によって変動します。一般的な住宅であれば、作業時間は2〜8時間ほどですが、広い家や汚れが多い場合は時間が延びることもあります。
高圧洗浄の際には水を大量に使用するため、水道代も確認が必要です。1回の作業で使う水の量は200〜400リットル(浴槽1〜2杯分)ほどで、水道代は1,000〜2,000円前後と大きな負担にはなりません。
ただし、現場に水道がない場合にはタンクで水を運搬したり、近隣の水道を借りたりすることがあります。その際は追加費用が発生する可能性があるため、見積もり時に確認しておくことが重要です。
高圧洗浄を依頼する前に、「費用に高圧洗浄が含まれているか」「水道代の取り扱いがどうなっているか」をしっかりチェックしておくと安心です。
外壁塗装の高圧洗浄はどの範囲まで行う?

外壁塗装の高圧洗浄は、塗装を行う部分のみが基本的な対象です。塗装しない場所は範囲外となるため、必要に応じて事前に確認しておくことが大切です。以下では洗浄の範囲と、対象外の場所について説明します。
高圧洗浄をする一般的な範囲
高圧洗浄の対象は、塗装対象となる部分に限定されます。主に次の箇所です。
- 外壁
- 軒天(屋根の裏側)
- 破風板(屋根の先端部分の板)
- 雨樋(雨水を流すパイプ)
これらはすべて、塗装前に高圧洗浄が行われるのが一般的です。汚れを丁寧に落とすことで塗料の密着度が上がり、仕上がりが美しく、耐久性も高くなります。
一方で、塗装しない部分については、通常は高圧洗浄の対象外です。必要な箇所だけを効率よく洗浄することで、作業全体のコストと時間を抑えられます。
ブロック塀や土間コンクリートは範囲外
ブロック塀や土間コンクリート(玄関前や家のまわりの床部分)は、高圧洗浄の範囲外です。これらは塗装の対象ではないため、基本の見積もりには含まれません。もし一緒に洗浄してほしい場合は、業者に依頼することで追加料金が発生します。費用の目安は、広さや汚れ具合によって異なりますが、数千円〜1万円程度です。
自分で家庭用高圧洗浄機を使用して洗うことも可能ですが、時間や労力がかかり、洗い残しやムラが出ることもあります。そのため、見た目を整えたい場合はプロに依頼するのが安心です。
高圧洗浄を依頼する際は、見積もり段階で「洗浄の範囲」と「追加料金の有無」を必ず確認してください。ブロック塀や玄関前の床もきれいにしたい場合は、事前に業者へ相談しておくとスムーズです。
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高圧洗浄で使用する機材の種類

外壁塗装の高圧洗浄では、外壁の状態や汚れの種類に応じて機材を使い分けることが重要です。主に「一般的な機材」「回転式の機材」「バイオ洗浄」の3種類があり、それぞれに特徴と適した用途があります。
一般的な機材
最も多く使われるのが、業者用の高圧洗浄機です。家庭用よりも水圧が強く、外壁や屋根の汚れ、カビ、コケ、ホコリを効率よく落とせます。
回転式の機材と比べると洗浄力はやや控えめですが、外壁を傷めにくく、安心して幅広い素材に使用できるのが利点です。
洗浄後は塗料の密着性が高まり、仕上がりが良くなるため、一般家庭の外壁塗装では標準的な選択肢といえます。
回転式の機材
強力な洗浄力が必要な場合には、「トルネードノズル」や「回転式ノズル」を使うことがあります。
回転しながら水流を噴射する仕組みで、こびりついた汚れや外壁にこもったカビを取り除くのに効果的です。
ただし水圧が非常に強いため、外壁の素材によってはダメージを与える可能性もあります。劣化が進んだ壁面では使用を避けるなど、状態を確認してから判断するのが安全です。
バイオ洗浄
バイオ洗浄は、洗剤の力で汚れを分解・除去する方法です。高圧の水だけでは落としきれないカビやコケの根までしっかり除去できるのが特徴です。
使用する洗剤は、人や植物にやさしい成分が多く、環境への配慮もされています。ただし、多少の臭いがあり、一般的な高圧洗浄よりややコストが高くなる傾向があります。
仕上がりの持ちを重視したい方や、汚れがひどい住宅では特に効果的な方法です。
家の状態や汚れの度合いによって、最適な洗浄方法は異なります。どの機材を使うのが適切か、見積もり時に業者へ確認しておくと安心です。
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外壁塗装で行う高圧洗浄の流れ

外壁塗装の高圧洗浄は、近隣挨拶→足場設置→養生→高圧洗浄の順番で進みます。各工程には重要な意味があり、トラブル防止と作業の安全性確保のため、順序を守って行われます。以下では、各ステップの詳細を解説します。
近隣住民への挨拶回り
高圧洗浄作業では騒音と水しぶきが発生するため、事前に近隣住民への挨拶が必要です。これによりトラブルを未然に防げます。
作業期間や具体的な注意点を説明することで、近隣の方にも安心してもらえます。業者が代わりに挨拶を行うケースもありますが、施主自身も一言挨拶しておくとより良い関係を保てるでしょう。
足場の設置をする
足場の組み立ては、高所での作業を安全に行うために不可欠です。高圧洗浄では外壁の隅々まで確実に洗浄する必要があり、作業員が安定した環境で作業できるよう足場を設置します。
同時に「飛散防止ネット」も取り付けます。これにより高圧洗浄で飛び散る水や汚れが近隣住宅や通行人にかかることを防げます。周辺環境への配慮として重要な対策です。
養生をする
養生は、洗浄時の水や汚れから保護したい箇所をビニールで覆う作業です。室内への浸水や周辺設備への影響を防ぐため、高圧洗浄前に必ず行われます。
窓を閉めるのはもちろん、サッシの隙間まで丁寧にカバーすることで、室内への水の侵入を完全に防ぎます。塗装作業時にも養生は行いますが、高圧洗浄段階でも同じように重要な工程です。
外壁の高圧洗浄
すべての準備が完了すると、本格的な高圧洗浄作業に入ります。強力な水圧で、外壁に付着した汚れ、コケ、ホコリ、排気ガスによる黒ずみを一気に除去します。
業者が洗浄機を使って外壁全体をまんべんなく洗浄し、一般的な戸建て住宅では2〜8時間程度で完了します。高圧洗浄後は外壁表面がきれいになり、塗料がしっかり密着する理想的な状態に整います。この下準備の質が、塗装の仕上がりと耐久性を大きく左右します。
外壁塗装の高圧洗浄にまつわるトラブル

高圧洗浄にまつわる主なトラブルは、「外壁材の剥がれ」「室内への浸水」「近隣住民からの苦情」「洗浄が雑で洗い残しがある」の4つです。これらは事前の対策で防ぐことができます。
外壁材が剥がれる
劣化が進んだ外壁では、強い水圧により表面の塗膜や一部の素材がはがれることがあります。モルタルやサイディングなどの素材は特に注意が必要です。
古い塗膜のはがれは次の塗装をしっかり行うために必要な工程ですが、外壁そのものが傷つくと補修工事が発生することもあります。事前に業者へ外壁の状態を確認してもらい、適切な水圧設定を依頼しましょう。
室内が浸水してしまう
サッシのすき間や換気口から水が入るトラブルも起こりやすい問題です。原因は、養生の不備や窓の閉め忘れです。
作業前に窓をしっかり閉め、業者がすき間なく養生を行っているか確認しましょう。養生が丁寧な業者であれば、室内への浸水被害を防げます。
近隣住民から苦情がくる
高圧洗浄は作業音が大きいため、住宅密集地や集合住宅で行う場合には苦情が出ることがあります。
作業音や水しぶきが原因でトラブルに発展すると、塗装作業全体に支障が出る可能性もあります。
施工前に業者と協力して近隣への挨拶を行い、スケジュールの説明をしておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。飛散防止ネットの設置も忘れないようにしましょう。
洗浄が雑で洗い残しがある
洗浄が不十分だと、汚れが残り塗料の密着性が落ちるため、塗装から数年で剥がれる恐れがあります。特に、作業に時間をかけない業者や経験の少ない業者に依頼した場合に起こりやすいです。
洗浄後は写真を見せてもらい、壁面全体がきれいになっているか確認するのがおすすめです。また、事前に「高圧洗浄にどのくらいの時間をかける予定か」を質問すると、業者の丁寧さを見極める参考になります。
トラブルのリスクを完全に避けることは難しいですが、信頼できる業者を選定し、工程の確認や事前対策を行うことで多くの問題は防げます。しっかり準備をして、安心して塗装作業に臨みましょう。
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高圧洗浄で失敗しないコツ

高圧洗浄の失敗を防ぐには、「近隣への配慮」「浸水対策」「信頼できる業者の選定」が鍵になります。どれか一つを怠ってもトラブルに発展する可能性があるため、事前の準備と確認が重要です。
近隣住民へ挨拶回りを必ずする
作業前に近隣住民への挨拶を行うことが、トラブル防止の第一歩です。高圧洗浄は音が大きく、水しぶきも発生するため、周囲への配慮が欠かせません。
業者が代わりに挨拶をする場合もありますが、住民と顔を合わせた際には自分でも一言伝えておきましょう。
特に、「作業の予定日」「洗濯物を外に干さない方がよいこと」などを具体的に説明すると、理解を得やすくなります。こうした小さな気配りが、苦情を防ぐ大きなポイントです。
養生や施錠をし浸水を防ぐ
高圧洗浄では強い水圧を使用するため、窓や換気口などから室内に水が入り込む可能性があります。これを防ぐには、丁寧な養生が欠かせません。
施工前に、窓をすべて閉めて施錠し、サッシのすき間はしっかりカバーされているかを確認しましょう。洗濯物も必ず室内干しにすることで、思わぬ濡れトラブルを避けられます。
養生の丁寧さは業者の技術力に直結します。手際の良さよりも「丁寧な作業」を重視する姿勢が大切です。
優良業者に依頼しトラブルを防ぐ
高圧洗浄で失敗しない最大のコツは、信頼できる業者を選ぶことです。技術や知識が不足している業者に依頼すると、外壁が傷ついたり洗い残しが出たりするリスクがあります。
優良業者を見極めるポイントは次の通りです。
- 見積もり内容が明確で、説明が丁寧
- 洗浄方法や使用機材について具体的に説明してくれる
- 作業中の写真を提示してくれる
- トラブル時の対応方針が明確
「価格の安さ」ではなく、対応の丁寧さや実績、口コミなどを重視して選ぶことが、後悔しないための最善策です。信頼できる業者に任せることで、仕上がりの質も安全性も高まります。
なお、業者が「建設業許可」を取得しているかを確認するのも一つの方法です。これは国土交通省の検索システムで確認できます。
また、万が一リフォームでトラブルが発生した場合は、公的な相談窓口である「住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)」の存在も覚えておきましょう。
(参考サイト)
・建設業許可: 国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」
・相談窓口: (公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住まいるダイヤル」
外壁塗装の高圧洗浄でよくある質問

外壁塗装の高圧洗浄では、「汚れ残り」「天気」「塗装までの期間」に関する不安を持つ人が多いです。以下のポイントを理解しておくことで、トラブルや不安を解消し、安心して工事を進められます。
まとめ

高圧洗浄は、外壁塗装の仕上がりと耐久性を大きく左右する最重要工程です。外壁の汚れをしっかり落とすことで塗料の密着度が高まり、美しく長持ちする外壁に仕上げることができます。
ただし、高圧洗浄には費用・時間・水道代といったコストが発生し、場合によってはトラブルが起こることもあります。こうしたリスクを避けるためには、信頼できる業者を選び、事前準備や近隣への配慮をしっかり行うことが大切です。
高圧洗浄前には、以下を必ず確認しましょう。
- 見積もり内容(費用・範囲・作業時間)
- 外壁の劣化状態
- 水圧調整や養生の対応
不安や疑問がある場合は、遠慮せず業者に相談してください。丁寧に対応してくれるかどうかが、信頼できる業者を見極めるポイントになります。
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