外壁塗装の足場をめぐってトラブル発生?防ぐために知っておきたいこと

外壁塗装では工事の安全性と効率を高めるために足場の設置が不可欠です。一方で、足場をめぐって予期せぬトラブルが発生するおそれもあります。たとえば、足場の設置と解体で生じるのは騒音、隣家への足場はみ出しや損傷などです。場合によっては近隣住民との関係悪化、損害賠償などの問題につながる重要な問題です。

この記事では、外壁塗装の足場をめぐるトラブルについて、実際の事例と対策方法を詳しく解説します。最後まで読むことでトラブルを未然に防ぎスムーズな外壁塗装を進めるポイントがわかります。

簡単30秒!あなたに合う塗装業者が探せる

井上咲

監修者:井上咲
保有資格:宅地建物取引士

ビルオーナー業にてテナントとの契約業務、商業ビルの買収、不動産管理などを担当。現在は専業ライターとして、多くの不動産関連メディアに携わっている。

目次

そもそも外壁塗装の足場って何のために必要?

外壁塗装の足場は費用がかかるので、「本当に必要なの?」と思う方もいるでしょう。しかし、足場は作業の安全性と塗装の品質を高めるために欠かせないものです。足場を設置しないと高所作業が不安定になり仕上がりにムラが生じやすくなります

しっかりした足場を設置すると作業員が効率よく動けるので、結果的に工期短縮やコスト削減が可能です。外壁塗装中のトラブルを防ぎ、満足度の高い仕上がりを実現するためにも、足場は重要な要素なのです。

外壁塗装における足場の役割と重要性

外壁塗装における足場の役割は大きく分けて「作業の効率向上」「安全性の確保」「仕上がりの品質向上」の3つに分類されます。

足場の役割詳細
作業の効率向上高所作業を効率的に行うためには安定した足場が必要。
作業員が自由に動けるので、塗装作業がスムーズに進み、工期短縮につながる。
安全性の確保作業員の転落事故を防止。
特に高所作業は危険を伴うため、安全な足場がないと重大な事故が起こる可能性が高まる。
仕上がりの品質向上足場があることで、細部まで丁寧に作業ができる。
塗装ムラや塗り残しを防ぎ、仕上がりが美しくなる。

足場がない場合は高所作業が不安定になり、作業員が十分な力を入れて塗装できません。これによって塗装にムラが生じ、不完全な仕上がりになるおそれもあります。

足場設置にかかる平均的な費用

足場設置にかかる平均的な費用

足場費用相場はおおむね600~1,000円/㎡が目安です。
計算方法は以下のようになります。

建物の外周×家の高さ×単価

(例)建物の外周20m、2階建て(高さ6m)の住宅を例にして計算してみましょう。

足場は建物よりやや外側にかけるため、外周を+8mして28mと算出します。
単価800円の場合:外周28m×高さ6m×800円=134,400円
単価1,000円の場合:外周28m×高さ6m×1,000円=168,000円

足場代は外壁塗装の費用のうち約20%で15~20万円ほどかかることが一般的です。ただ、費用は家の広さや地域、業者により異なるので、あくまでも見積もりとして捉えてください。

2階建ての建物は高さ5m以上になることがほとんどで、この場合「足場の組み立て等作業主任者」の資格を持った人が作業に立ち会う必要があります。

足場費用は決して安い金額ではありませんが、安全な状態で外壁塗装を美しく仕上げるために必要な工程であることを認識しましょう。

外壁塗装の足場に関する近隣住民とのトラブル事例4選

外壁塗装では、足場の設置や解体をきっかけに「騒音・はみ出し・汚れ・破損」などの近隣トラブルが起こることがあります。
どんなに丁寧な業者でも、周囲への配慮を欠くとクレームや関係悪化につながりかねません。

トラブルを防ぐには、事前の挨拶・施工内容の説明・養生対策・保険加入の確認などを徹底しておくことが大切です。
ここでは、実際に起こりやすい代表的な4つのトラブル事例と、その対策をわかりやすく紹介します。

騒音トラブル

外壁塗装の足場設置と解体でトラブルになりやすいのが騒音の問題です。足場は金属製のパイプで組み立てるので、設置と解体の際に大きな金属音が発生します騒音が長時間続くとストレスを感じる住民も多く、トラブルに発展しやすくなるため注意が必要です。

特に早朝や夕方の時間帯に作業が行われると、近隣住民の生活に大きな影響を及ぼすことがあります業者と打ち合わせをする際に足場の設置と解体の時間を確認し、早朝や夕方を避けてもらうように依頼するのがおすすめです。

足場が隣家にはみ出す

足場を設置すると一部が隣家にはみ出してしまうトラブルも多々発生します。特に住宅密集地域では、隣家の土地に足場の一部を設置しないと安全に組み立てられないことがあるので、その場合は事前に自宅周りに余裕があるか確認しなければなりません。

隣家に足場を設置しないと外壁塗装ができない場合は、事前に承諾を得ると共にお詫びをしておきましょう。無断で他人の土地に足場を設置すると、隣人トラブルに発展するおそれもあります。

ほこり・汚れ・塗料の飛散

外壁塗装の際には、建物に付いたほこりや汚れが近隣住宅に飛散することがあります。風が強いと塗料が飛ぶ可能性もあるため、建物をシートで覆ってしっかり養生を行う必要があります。養生作業を行う際には、立ち会って作業内容をチェックするようにしましょう。

ここで注意したいのが、安価な外壁塗装費用を売りする悪徳業者の存在です。人件費削減の目的で養生やその他の工程を手抜きすることがあります。養生が甘いと庭や車だけでなく近隣住宅にもホコリや汚れ、塗料が飛散しトラブルの原因になりかねません。大きなトラブルを防ぐためにも、全ての工程をしっかり行う優良業者を選びましょう。

近隣住民の所有物破損

外壁塗装の足場設置と解体により、近隣住民の所有物を破損してしまうと、損害賠償を請求されるおそれがあります特に、車、フェンス、植木、花壇などは、足場のパイプやハシゴを移動する際に接触しやすいので注意が必要です。

このトラブルを未然に防ぐためにも、足場設置場所の周囲をよく確認しておくことが大切です。また、業者側が請負業者賠償責任保険に加入しているか、さらに業者の責任として損害賠償金を支払ってもらえるかも確認しておきましょう

簡単30秒!あなたに合う塗装業者が探せる

外壁塗装業者とのトラブル事例4選

外壁塗装では、足場の設置や管理をめぐって業者との間でトラブルになるケースも少なくありません。
代表的なのは、「自宅や所有物の破損」「道路へのはみ出し」「植木や花壇の損傷」「足場の倒壊」といった4つの事例です。

これらのトラブルは、事前の確認や打ち合わせをしっかり行えばほとんど防ぐことができます。
工事前に足場の設置位置・周囲の安全確認・保険加入の有無などをチェックしておくことが、トラブル回避の第一歩です。

以下では、実際に起こりやすい4つの事例と、予防策を詳しく解説します。

自宅や所有物の破損と損傷

依頼主の自宅や所有物の破損は、外壁塗装の足場設置時によく発生するトラブルの一つです。特に足場の組み立てや解体作業中に、誤って自宅の壁や窓、屋根を傷つけるケースが多々あります。足場が外壁に密接して設置された場合は、作業員が慎重に作業しているか確認することが大切です。作業が雑で不注意だと、外壁に傷やへこみが生じる可能性もあります。また、足場の部材接触で車やエアコンの室外機に傷が付くのもよくあるトラブルです。

このような破損は、外壁塗装の施工後に気づくことも多く、業者とのトラブルに発展するケースがあります。特に自宅の外壁や窓ガラスなどの目立つ部分に傷がつくと、工事のやり直しや修繕費用の上乗せが必要になるので注意しましょう。足場の設置と解体の際には、現場に立ち会ってチェックするのがおすすめです。

足場が道路にはみ出し交通を妨げる

自宅が道路に面していると、設置した足場が道路にはみ出して交通を妨げることがあります。特に住宅密集地域で道路が狭い場合は、足場が道路にはみ出しやすいので事前に自宅周りを確認しておきましょう。この場合は歩行者や車両の通行を妨げるため、トラブル発生の可能性が高いと認識しておくことが大切です。

道路に足場を設置する際には、事前に警察や自治体から道路使用許可を取得する必要があります。基本的に申請は業者が行うことが一般的です。自宅周りの状況から道路使用許可の取得が必要と思われる場合は、業者に相談しましょう。この許可を取得せずに足場を設置した場合行政指導や罰則の対象となるのは塗装業者ですが、工事の中断や何かしらのトラブルに巻き込まれる可能性があるので注意が必要です

花壇や植木破損と損傷

自宅回りに足場設置作業の妨げとなる花壇や植木があると、移動や剪定が必要になるケースが多々あります。塗装業者から説明もあると思いますが、念のため花壇や植木が邪魔にならないか確認することが大切です。作業時の妨げとなると分かった場合は、植木鉢を移動したり花や樹木を剪定したりして対処しましょう。

足場の倒壊

足場の倒壊は、外壁塗装における最も深刻なトラブルともいえます。足場が倒壊すると、作業員や依頼主だけでなく近隣住民にも重大な危険もたらすためです

足場の倒壊は強風や地震など自然災害によって引き起こされる可能性があります。地震発生は予測が難しいですが、天候不良や台風などは予測ができるので、業者に足場固定やネットシートの折りたたみなどの対策を早めに依頼しましょう。

その他、契約内容や塗装の仕上がりに関するトラブルについて気になる方はこちらの記事もご覧ください。

外壁塗装の足場によるトラブル発生対策は入念に

外壁塗装の足場によるトラブルを防ぐには、「工事内容の把握」「近隣への配慮」「信頼できる業者の選定」の3つを徹底することが何より重要です。
足場設置は安全に関わるだけでなく、騒音・飛散・隣地トラブルなどを引き起こす要因にもなるため、事前準備の丁寧さがトラブル防止の鍵となります。

ここでは、実際にトラブルを避けるために押さえておきたい3つの対策を順に解説します。

外壁塗装の工事内容を明確に把握する

事前に工事内容をよく理解し、注意点を確認しておくと多くのトラブルを避けられます。外壁塗装では足場設置以外にも高圧洗浄や養生などの聞き慣れない作業が多いため、不明点を業者に質問してあらかじめリスクを理解しておきましょう。

<足場を設置する際のポイント>

ポイント把握すべき内容
足場設置の範囲と場所足場がどの範囲に設置されるか、隣接する土地にかかるかを確認する。
養生シートや防音対策の有無
塗料飛散や騒音対策として養生シートの使用や防音対策が施されるかチェックする。
作業時間とスケジュール
作業開始時間や終了時間、工期の期間など、作業スケジュールの詳細を聞いておく。
資材の保管場所と搬入経路
足場の資材や塗料の保管場所、搬入経路が近隣住民に迷惑をかけないか確認する。

足場設置の範囲については、事前に建物周囲の状況を確認し、近隣の土地や道路に影響を及ぼさないように計画することが大切です。車両通行に影響がある場合は、業者が道路使用許可の取得手続きを行っているか確認します。信頼できる業者としっかりコミュニケーションを取ることが重要です。

簡単30秒!あなたに合う塗装業者が探せる

事前に近隣住民へ説明やお詫びをする

足場設置と解体によって近隣住民へ何かしらの迷惑が発生する場合は、事前に説明とお詫びをしておくことが大切です。工事期間や作業時間を明確に伝え、騒音発生や足場がはみ出す可能性があればきちんと許可を取りましょう。

信頼できる業者を選定する

外壁塗装の足場によるトラブルを避けるには、信頼できる業者を選定することが最も重要です。経験豊富で信頼性が高い業者を選ぶことで、工事の品質や安全性が確保され、近隣住民とのトラブルも未然に防げます信頼できる業者を見極める際には、以下のポイントに注意しましょう。

・施工実績
・見積もりの明確さ
・口コミや評判
・保険の加入状況

外壁塗装のメインはあくまでも「塗装」ですので、まずは施工実績を確認しましょう。美しくてムラのない外壁塗装の施工実績を誇る業者は、足場の設置もしっかり行っていると判断できます。また、実際に利用した方の口コミや評価を参考にして業者を選ぶのも良い方法です。

さらに、工事中の事故やトラブルに備えて請負業者賠償責任保険に加入しているかも確認しましょう。業者によって加入している保険は異なるので、加入している保険の補償内容を確認することが大切です。アフターケアの有無や内容が気になる方は、見積もりの段階で聞いておきましょう。

信頼できる業者を選ぶことは外壁塗装の足場トラブルを回避することに繋がります。安全かつスムーズな工事を実現するためにも、よく下調べをして業者を選ぶようにしましょう。

簡単30秒!あなたに合う塗装業者が探せる

悪徳業者に関して手法や実態が気になる方はこちらをご覧ください。

万が一外壁塗装でトラブルが発生した場合

外壁塗装でトラブルが起きた場合は、「業者への連絡 → 公的機関への相談 → 弁護士への依頼」という順で、段階的に対応することが大切です。
感情的に対応すると解決が長引くこともあるため、証拠を残し、冷静に専門機関へ相談する姿勢が重要です。

まずは施工を担当した外壁塗装業者に状況を伝え、それでも解決しない場合は「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」や弁護士などの専門家へ相談しましょう。
以下では、それぞれの対応ステップを具体的に解説します。

外壁塗装業者に連絡する

外壁塗装でトラブルが発生した場合、業者への連絡を最優先にすることが大切です。業者にトラブルの内容や状況を詳しく説明し、必要に応じて迅速な対応を依頼します。トラブル発生時の写真や動画などを撮影しておくと、問題の状況を正確に伝えられるのでおすすめです。

業者が適切に対応しない場合や対応に納得がいかない場合は、次のステップとして紛争処理支援センターや弁護士への相談を検討しましょう。初期対応が迅速かつ適切であれば、多くのトラブルは解決できます。

住宅リフォーム・紛争処理支援センターに相談する

外壁塗装のトラブルが発生し、業者との話し合いで解決が難しい場合は、「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」に相談しましょう。外壁塗装などの住宅リフォームに関するトラブル解決をサポートしているので、専門家のアドバイスや調停を受けられます。第三者の立場で問題を客観的に判断し、適切な解決策を提供してくれるため、トラブルの円満解決が可能です。

相談の際には、トラブルの経緯や内容を整理して証拠となる資料を準備しておくとスムーズに対応してもらえます。また、自分が希望する解決方法を明確に伝えると、より具体的なアドバイスや調停を受けられるので、相談前に内容を確認しておきましょう。

弁護士に相談する

外壁塗装のトラブルが解決せず、業者との交渉が難航している場合は、弁護士に相談することも検討しましょう。弁護士は法的な観点からアドバイスを提供し、適切な対処法を提案してくれます。特に、損害賠償請求や契約不履行の問題が絡む場合は専門的な知識が必要となるため、弁護士のサポートが有益です。弁護士に相談することで、自分の権利を守り、適切な法的手続きを進められます。

まとめ

まとめ

外壁塗装の足場設置と解体に伴う多くのトラブルは、事前の対策で解決できます。その中で最も重要なのが「信頼できる業者を選ぶ」ということです。さらに、近隣への配慮をきちんと行うと、塗装工事がトラブルなくスムーズに進みます。

自分の大切な家を外壁塗装工事で気持ちのよい外観に蘇らせるためには、自身だけでなく業者や作業員、近隣の方々が気持ちよく過ごせるように配慮することが大切です。

「ペイプロ」ではGoogle口コミ高評価のみの厳選な審査を通った実績豊富な業者のみご紹介しています。紹介サービスはすべて無料でご利用いただけ、もしお断りしたい場合も代わりに業者にお伝えしますので、外壁塗装を検討中の方はお気軽にお問合せください。

簡単30秒!あなたに合う塗装業者が探せる

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次