自宅や賃貸物件の外壁塗装を考えていても、限られた予算に悩んでいる方は多いのではないでしょうか。しかし、お金がない状況でも外壁塗装を実現する方法はいくつも存在します。
結論として、適切な情報と計画をもとに行動すれば、予算が厳しい場合でも安心して外壁塗装が行えます。この記事を参考に、家を長持ちさせるための賢い一歩を踏み出しましょう。
・お金がない場合でもできる外壁塗装のコスト削減の秘訣
・DIYやローン、地方自治体の補助金の活用方法
・信頼できる業者の見極め方と失敗を避けるための注意点
\ 簡単30秒! /

監修者:滋野 陽造
保有資格:宅地建物取引士 賃貸不動産経営管理士
早稲田大卒。マスコミ広報宣伝業務・大手メーカー等のWebディレクターを経て、不動産関連業に従事。法令に則しながら、時流や現状も踏まえた記事を執筆している。

監修者:藤 孝憲
保有資格:宅地建物取引士・SEO検定1級・CFPなど
資格を活かし、中立的な立場で記事の執筆・監修を行っている。常に生活者目線で専門用語もわかりやすく解説し記事を執筆している。
外壁塗装ってどれくらいお金がかかるの?【費用の相場】

外壁塗装の費用相場は30坪で60〜100万円程度、60坪で120〜200万円程度と幅があります。主な要因は家の大きさ、塗料の種類、業者の施工単価です。
塗料のグレードや施工方法の違いで費用が変動しますが、塗装は家の性能維持に欠かせない投資です。予算に合わせつつ、適切な費用を捻出しましょう。
こちらの記事もご参照ください。

【8つの基本戦略】お金がないときの外壁塗装

外壁塗装の費用は、業者選びや塗料の選定、交渉など8つの基本戦略を実践することで、質を落とさずに抑えることが可能です。単に安い業者を探すだけでなく、多角的な視点でコスト削減に取り組むことが、満足のいく結果につながります。
1. 外壁の現状を把握する
まず外壁の劣化状況を正確に把握することが最大のコスト削減につながります。不要な塗装を避け、補修すべき部分だけに集中しましょう。
ひび割れ、剥がれ、カビといった劣化を見極めることで無駄な費用を減らせます。
2. 適切な塗料と材料のグレードを選ぶ
予算に応じて性能と価格のバランスが良い塗料を選ぶことが重要です。安価な塗料は耐久年数が短く、将来的に追加の費用が増えるリスクがあります。
各種塗料の特徴や価格相場を理解して、長期的なメンテナンスコストも視野に入れましょう。
以下の表におもな塗料の種類とその特徴、価格帯を示します。
塗料の種類 | 特徴 | 耐用年数 | 価格帯(1m²あたり) |
---|---|---|---|
アクリル塗料 | 低価格だが耐久性が低い | 5~7年 | 1,000~1,500円 |
ウレタン塗料 | 適度な耐久性とコストパフォーマンス | 8~10年 | 1,500~2,000円 |
シリコン塗料 | 耐久性と価格のバランスが良い | 10~15年 | 2,000~3,000円 |
フッ素塗料 | 高価格だが非常に高い耐久性 | 15~20年 | 3,000~4,500円 |
外壁塗装の材料
外壁塗装を行う際には、ほかに以下のような材料が必要です。おもな各材料の特徴と価格帯を把握することで、コストを抑える選択が可能です。
材料名 | 特徴 | 価格帯(概算) |
---|---|---|
プライマー | 下地を整え、塗料の密着性を高める | 500~1,500円/m² |
シーリング材 | ひび割れ補修や防水効果を持つ | 500~1,000円/m |
マスキングテープ | 塗装範囲を保護するためのテープ | 300~500円/個 |
養生シート | 塗装中に周囲を保護するためのシート | 500~1,000円/巻 |
高圧洗浄機 | 外壁の汚れを除去するための機械 | 10,000~30,000円 |
ブラシ・ローラー | 塗料を塗布するための道具 | 500~2,000円/個 |
塗料選びは、外壁の耐久性とメンテナンスコストに直結するため、慎重に検討しましょう。
3. 見積もりを複数取る
複数の業者から見積もりを取り比較することで、適正価格を把握しコストを抑えられます。具体的な作業内容、材料の質、費用の内訳まで確認し、納得できる見積書を選びましょう。
4. 信頼できる業者選び
価格だけでなく、実績や保証、評判を総合的に判断して信頼できる業者を選ぶことがトラブル回避とコスト削減のカギです。
安価なだけの業者は施工不良や追加費用の発生リスクが高いため慎重に選びましょう。
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5. 施工時期の選定
繁忙期を避けて施工時期を選ぶことで、業者の見積もりが比較的安くなる可能性があります。夏や冬の閑散期を狙うのがおすすめですが、業者によって異なるため事前確認が必要です。
6. 契約内容の確認と交渉
契約前に作業内容や追加費用の有無など契約書を細かくチェックし、不要な作業や過剰な材料使用を除く交渉を行いましょう。明確な契約がコスト増加の予防になります。
7. 保証制度の確認
保証が充実した業者を選べば万が一の不具合にも追加費用を抑えられ、長期的なコスト削減に繋がります。保証の範囲や期間を事前に必ず確認しましょう。
8. 業者とのコミュニケーション
施工前に納得いくまで業者と相談し、不明点を解消することでトラブル防止とコスト抑制が可能です。アドバイスを活用し無駄のない施工計画を立てましょう。
外壁塗装の費用を抑える5つのテクニック

外壁塗装の費用は、DIYや部分補修、補助金活用、保険利用、ローンなどを組み合わせることで賢く抑えられます。これらの方法を上手に活用し、賢く予算管理をしましょう。
①DIYで外壁塗装する
DIYで外壁塗装を行うと作業費用を大幅に削減可能ですが、正しい準備と知識が不可欠です。安全や品質確保に注意しながら、計画的に進めましょう。
1. 準備と計画
塗装前の現状把握と必要材料・工具の準備、適切なスケジュール設定が成功の鍵です。ひび割れや汚れを確認し、必要物品をリストアップし、作業日は天気予報を確認して決めます。
2. 材料の選定
適切な塗料と材料を選ぶことで仕上がりの質と耐久性を向上させ、結果的にコストパフォーマンスが良くなります。
3. 下準備と養生
外壁の汚れを落とし、塗装しない箇所を養生することで塗料の密着性を高めます。
4. 塗装の手順
プライマー塗布→1回目塗装→乾燥→2回目塗装の順でムラを防ぎ、耐久性の高い仕上がりになります。
5. 仕上げと片付け
塗装後は養生をはずし、工具も片付けて仕上がりを確認。補修が必要な箇所は早めに手当てしましょう。
6. 注意点
高所作業の安全確保、天候の見極め、適切な塗料の使い方を守ることが重要。無理せず必要に応じて専門業者に相談をしましょう。

②部分補修で対処する

全面塗装を避け、劣化した部分だけを補修することで初期費用を抑えられます。ただし、適切な判断が必要です。
部分補修はひび割れのシーリング、剥離箇所の塗り直し、汚れ落としなど状況に応じた方法があります。状態を見て的確に補修しましょう。
部分補修の方法 | 説明 |
---|---|
クラック補修 | ひび割れにシーリング材を充填して防水性を回復 |
塗膜の剥離補修 | 剥離部分を削り落とし、新たに塗装する |
汚れの洗浄 | 高圧洗浄機で汚れを除去し、外観を改善 |
部分的な塗り直し | 退色した箇所のみを再塗装する |
防水シートの貼り直し | 防水性能を回復するためにシートを交換する |
部分補修の手順
部分補修を行う際には、以下の手順を参考に進めてください。
- 外壁の状態確認:
まずは、外壁の損傷や劣化箇所を確認し、補修が必要な箇所を特定します。 - 材料の準備:
補修に必要な材料を揃えます。シーリング材や塗料など、適切なものを選定します。 - 下地処理:
劣化部分の下地を整えるために、剥離やひび割れを処理します。 - 塗装・補修:
適切な塗料やシーリング材を使用して、補修箇所を修繕します。 - 仕上げと確認:
補修が完了したら、全体を確認し、問題がないかチェックします。
③地元の補助金や助成金を利用する
自治体の補助金・助成金を利用すれば自己負担を軽減できます。必ず申請条件や期限、必要書類を事前に確認しましょう。
補助金・助成金の種類は「省エネリフォーム」や「耐震補助」「地域活性化支援」などさまざまな制度が存在します。
補助金・助成金の種類 | 説明 |
---|---|
省エネリフォーム補助 | エコ塗料を使用した外壁塗装や断熱性向上を目的とした改修に対する支援 |
防災・耐震補助 | 耐震性や防災性能を向上させるための外壁改修に対する支援 |
地域活性化補助 | 地域特有の景観維持や観光促進を目的とした外壁改修に対する支援 |
補助金や助成金の条件は、自治体ごとに異なります。対象工事や業者、申請者の条件を自治体のホームページなどで確認しましょう。
申請の流れ
自治体ホームページ等で情報収集後、書類を準備し申請、審査、承認、工事実施、報告提出のステップです。
- 情報収集:
地元の自治体のホームページや窓口で、最新の補助金や助成金情報を確認します。 - 要件確認:
自宅の外壁塗装が補助金の条件に該当するか確認します。 - 書類の準備:
申請書類や必要な添付書類を揃えます。見積書や工事計画書が必要なことが多いです。 - 申請書提出:
指定の窓口に申請書類を提出します。提出期限や方法に注意しましょう。 - 審査と承認:
提出された書類が審査され、条件を満たしている場合は承認されます。 - 工事の実施:
承認後に工事を開始します。工事完了後に報告書の提出が求められることがあります。
注意点
申請期限と予算枠に注意し、自己負担の有無や報告義務がある場合はしっかり対応しましょう。
- 期限に注意
申請期限や工事実施期間が設定されている場合が多いため、計画的に進めることが重要です。 - 予算枠の確認
補助金には限られた予算枠があるため、早めに申請を行いましょう。 - 報告義務
工事完了後には、所定の報告書を提出する義務がある場合があります。必要書類を事前に確認しておきましょう。 - 自己負担の有無
補助金や助成金は全額をカバーするわけではないため、自己負担分を確認しておくことが必要です。

④火災保険・地震保険を利用する

風災や雹災での塗装剥がれ等、補修費用に保険適用が可能です。被害の証拠収集と速やかな申請がポイントです。
火災保険でカバーされる主な損害例は下記の通りです。
損害の種類 | 内容 |
---|---|
風災 | 台風や強風による外壁の損傷 |
雹災 | ひょうが降った際の外壁の塗装剥がれ |
雪災 | 雪による圧力で外壁にヒビが入った場合 |
地震保険の基本的な利用法
地震や津波等によるひび割れなどの損傷も対象となります。
- 適用範囲:
地震による直接的な損害や、それに伴う津波、噴火などの災害が原因で発生した外壁の損害が対象です。 - 申請手続き:
地震による損害が発生したら、速やかに保険会社に連絡し、被害状況を報告します。写真を撮影して証拠として残しておくと、申請がスムーズに進みます。
3. 申請のポイントと注意点
損害写真を撮る、早めに保険会社へ連絡、適用範囲の事前確認が重要です。
- 損害の証拠を残す:
被害状況を写真や動画で記録し、保険会社に提出します。損害の程度が分かるように、詳細に記録することが重要です。 - 早めの連絡:
損害が発生したら、できるだけ早く保険会社に連絡しましょう。迅速な対応が補償を受けるための鍵です。 - 保険の適用範囲を確認:
契約内容を事前に確認し、適用範囲を把握しておくことで、スムーズな手続きが可能になります。 - 業者との連携:
保険適用後の修理は、信頼できる業者と連携して行うことが重要です。業者選びも慎重に行いましょう。

⑤ローンや分割払いにする
ローンの種類は、銀行のリフォームローン、消費者金融ローン、業者提携ローン、クレジットカード分割など多様な選択肢があります。
ローンの種類 | 特徴 |
---|---|
リフォームローン | 外壁塗装などの住宅リフォーム全般に利用可能。固定金利または変動金利を選択可能。 |
銀行ローン | 多くの銀行が提供する一般的なローン。リフォームに特化したプランも存在する。 |
消費者金融ローン | 即日融資が可能なことが多いが、金利が高め。短期間での返済が必要な場合に適している。 |
クレジットカードの分割払い | 低額な外壁塗装費用を手軽に分割可能。ただし、手数料がかかる場合がある。 |
また、ローンを利用することで、以下のようなメリットがあります。月々の支払いを抑え、早期に工事を開始できる点が大きなメリットです。
- 費用の平準化:
大きな出費を毎月の分割払いにすることで、生活費に無理なく組み込むことができます。 - 緊急時の対応:
突発的な外壁の劣化や損傷に対して、迅速に対応することが可能です。 - 選択肢の広がり:
ローンを利用することで、予算が限られている場合でも、質の高い塗料やサービスを選択することができます。
逆に、ローン利用の注意点もあります。金利や返済期間、信用情報などを事前に確認し、返済計画を立てることが重要です。
- 金利と手数料:
ローンの金利が高い場合、総返済額が大幅に増える可能性があります。事前に金利と手数料を確認し、無理のない返済計画を立てましょう。 - 返済期間:
長期の返済期間を設定すると、月々の返済額は抑えられますが、総返済額が想定外に増える可能性があります。最適な返済期間を選びましょう。 - 信用情報の確認:
自分の信用情報を事前に確認し、ローンの審査に備えることが重要です。信用情報に問題があると、審査が通らない場合があります。
分割払いの活用
クレジットカード分割や業者の分割プランを使えば手軽に分割支払いが可能です。返済負担に合った回数を選びましょう。
- 手軽さ:
クレジットカードでの分割払いは、手続きが簡単で、すぐに利用開始できる点が魅力です。 - 柔軟性:
支払い期間や回数を選択できるため、自分の支払い能力に応じたプランを選べます。
分割払いの例
分割回数 | 月々の支払額(例: 50万円の外壁塗装) |
---|---|
6回 | 約83,333円 |
12回 | 約41,667円 |
24回 | 約20,833円 |
返済計画をしっかりと立て、負担を軽減しながら、質の高い外壁塗装を実現しましょう。

お金がないときにやりがちなNG行動のご紹介

お金がないと焦って安価な業者に飛びついたり、材料や施工工程をケチると、結果的に大きな損失やトラブルを招きます。長期的なコストやリスクを考えて慎重に判断しましょう。
安価な業者に依頼する
極端に安い業者は、低品質な材料使用や手抜き工事、追加請求といったリスクが高く、トラブルに巻き込まれやすいです。見積内容や実績、口コミをしっかり確認し、複数業者の比較を必ず行いましょう。
具体的には、価格が相場より大幅に安い、訪問営業で即決を迫る、見積もりに不明瞭な項目がある業者は注意が必要です。

外壁塗装は一時的なコスト削減よりも、長期的な耐久性と信頼性を重視することが大切です。安価な業者の罠に注意し、信頼できる業者を選ぶことで、安心して外壁塗装を進めることができます。トラブルを避けるために、事前の情報収集と慎重な判断を心掛けましょう。
材料や工程をケチる
目先の節約で材料や工程を削減してしまうと、外壁の耐久性や美観を損ね、結局は追加費用までかかるなど、結果的に大きな損失につながります。短期的なコスト削減よりも適切な材料と正しい工程を守ることが、最も賢明で安心な選択です。
適切でない材料や不十分な施工は、外壁の性能低下・再塗装の頻発といったリスクを招きます。下記で具体的な注意点を解説します。
1. 材料をケチるリスク
安価な塗料や不適切な下地処理は耐久性を著しく低下させ、早期の劣化や剥がれを招き、結果的に再塗装などの追加費用が膨らみます。
低品質塗料は紫外線・雨風に弱いほか、防水性不十分でカビや腐食の原因になるため、適切な材料選びが重要です。
2. 工程をケチるリスク
施工工程の省略や塗膜の薄塗り、乾燥時間の短縮は耐久性低下やムラ、はがれの原因になり、施工不良を招きます。
工程不足は見た目だけでなく、家の保護機能を損なうため、正規の施工工程を守るべきです。

3. 経済的リスク
短期的なコスト削減が長期的に大きな出費につながる恐れがあります。劣化が早まり再塗装や大規模修繕が必要になるケースが増え、住宅の資産価値も下がります。
見た目だけでなくトータルコストを考慮した賢い選択が求められます。
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工事を先延ばしにして放置するとどうなる?

外壁塗装をお金がないからと先延ばしにすると、ひび割れや剥がれ、防水性・断熱性の低下など劣化がどんどん進行します。結果的に修繕費用が大幅に増える、住宅価値も下がるなど、後悔する事態になりかねません。放置は絶対にNGです。
外壁は常に天候や紫外線にさらされており、劣化を先送りするほど損傷が拡大します。建物の見た目が悪くなるだけでなく、構造部分まで傷む恐れも増します。
劣化は日々進行し、損傷や水漏れ、断熱性低下による光熱費増といった様々なデメリットも生じます。費用面からも「早めの対応」が将来の無駄な出費を防ぐ最善策です。
工事を先延ばしにしないための心構え
定期的な点検・早めの補修・専門家への相談を意識し、長期的な視点で「今できる最善の対策」を計画しましょう。
外壁の変化に気付いたらすぐに行動し、費用面の課題は部分補修や助成金の活用、ローン利用等も組み合わせて前向きに対策してください。将来的な安心・安全、資産価値維持のために、放置は絶対避けるべきです。
外壁塗装をしたいけどお金がないケースのよくある質問

この項では記事のおさらいを兼ね、外壁塗装に関するよくある質問をご紹介します。
まとめ

外壁塗装をする際にお金がないと感じることは多くの家庭に共通の悩みです。しかし、この記事で紹介したように、適切な計画と戦略を立てることで、費用を抑えながら外壁をきれいに保つことが可能です。
長期的な視野で計画を立てながら、自分に合った方法で塗装を進め、外壁の美観と耐久性を保ちましょう。
外壁塗装の優良業者選びなら、ペイプロにお問い合わせください!